空間データ分析の高度化 スマートシティ・不動産テック新規事業開発で共創

データサイエンスで企業と社会の課題を解決するDATAFLUCTは総合建設会社である竹中工務店と資本業務提携を締結した。提携の背景と目的としてインフラ老朽化への対策や増え続ける自然災害に対応できるまちづくりなど建設業の役割が重要になる一方で、業界は深刻な人材不足や海外と比較して依然労働生産性が低いという課題を抱えている。

adf-web-magazine-datafluct-takenaka-1こうした課題の解決に向けて国土交通省がICT導入施策「i-Construction」を進めるなど、建設業界におけるテクノロジーの活用が期待されている。また多様なリスクに対応したスマートビル・スマートシティやそれを実現する「建物OS」のニーズも高く、建設業各社が独自の施策を展開している。データサイエンスをすべての産業に届け企業の課題を解決し、その先の「サステナブルアルゴリズムの社会実装」を目指すDATAFLUCTはデータに基づく持続可能なまちづくりを実現するEBPMプラットフォーム『TOWNEAR(タウニア)』など、まちづくりの領域にもデータ活用を届けている。竹中工務店は建設業のリーディングカンパニーとしてランドマークとなる数多くの建築物を手掛けている。DATAFLUCTと竹中工務店は竹中工務店が「まちづくりを通したサステナブル社会の実現」をテーマに実施した「TAKENAKAアクセラレーター」をきっかけに始めたファシリティマネジメントAI『builbo(ビルボ)』の共同開発や「建設DX」をテーマにしたオンラインイベントの開催など、ともに建設・まちづくり領域のデータ活用に取り組んでいる。今回の資本業務提携はデータを活用したまちづくりを通してサステナブルな社会を実現したいと考える両社の思いが一致し締結した。

今後の取り組みについて

地形や建物、交通などのさまざまな空間データを重ねてデジタル上に再現することができるGISは工事の効率化や自然災害の被害をシミュレーションするなど、建設業のDXに役立つと期待されている。一方で形式の異なるデータを組み合わせて活用したり、時系列で比較するには高度な技術が必要であり、DATAFLUCTは従来のGISソフトでは扱いにくい位置情報、SNS、衛星画像、モビリティ、CO2濃度などのビッグデータを組み合わせ、リアルタイムの位置情報分析、人流モニタリングなどの高度なデータ分析からまちの最新状況を把握できるEBPMプラットフォーム『TOWNEAR』の開発などマルチモーダルデータ活用に実績を持つ。今回の資本業務提携によりDATAFLUCTのデータサイエンスの知見と技術、データを活用した新規事業創出のノウハウと、竹中工務店が持つBIM(Building Information Modeling)をはじめとする設計・施工データや、維持管理において収集されたセンサデータなどのノウハウを組み合わせ、事業開発に取り組む。

ファシリティマネジメントAI『builbo』

不動産業界はステークホルダーの多さやデジタル化の遅れにより、データの一元管理ができていないという問題を抱えている。表計算ソフトで管理されている情報群は横断的な管理をするには使い勝手が悪く、ファシリティマネジメント業務におけるIT活用が求められている。『builbo』はAIによる業務効率化・標準化、データの一元管理による 検索性向上でファシリティマネジメント業務を支援するクラウドサービスで、予算管理機能や確認すべき業績指標を表示できるダッシュボード機能、見積書・請求書の情報をデータ化・会計仕訳を自動提案するAI機能などを備え、データに基づく適切な現状把握や意思決定が可能となっている。adf-web-magazine-datafluct-takenaka-2


EBPMプラットフォーム『TOWNEAR』

エリアに関するデータは人流データや交通データ、SNSデータなどさまざまな形で存在しており、こうしたデータを組み合わせて活用することで、エビデンスに基づく政策立案(EBPM)の実現やサステナブルな都市サービスの企画・展開が可能になると期待されている。しかし形式の異なるデータを組み合わせて分析するためには膨大なデータを扱うための基盤や高度なデータ活用人材が必要であり、エリアマネジメントにおけるデータ活用のハードルはいまだ高いのが現状である。『TOWNEAR』は、専門的な知識やソフトウェアなしでエリアに関するビッグデータを分析でき、データに基づく「持続可能なまちづくり」を可能にするプラットフォーム。従来のGISソフトでは扱いにくいビッグデータ(位置情報、SNS、衛星画像、カメラ、モビリティ、CO2など)などの活用や、“なぜその変化が起きたのか”を示唆する因果推論などの高度なデータ解析を、ノーコードで実行することができる。adf-web-magazine-datafluct-takenaka-3

データレイク/データウェアハウス『AirLake』

AirLake(エアーレイク)』はデータ活用の前工程である収集、加工、蓄積における課題を解決し、これまでにないデータ同士の組み合わせから新たな洞察を得られる環境を提供するデータレイク/データウェアハウス。データサイエンティストやエンジニアがいなくても画像や動画、音声、文書などの非構造化データを簡単に加工・変換できる。また社内・社外、構造化・非構造化を問わずどこからでも必要なデータを収集し、カタログ化したデータを一元管理も可能。DATAFLUCTの提供する機械学習サービスやBIツール、各種分析系サービスともシームレスな連携も可能となっている。adf-web-magazine-datafluct-takenaka-4

DATAFLUCTについて

2019年の設立以来「データを商いに」というビジョンのもと、活用されていないデータから新たなビジネスを創出し、企業と社会に価値を生み出しつづけるデータサイエンス・スタートアップスタジオ。衛星画像データから位置情報やPOSデータまで幅広い分析実績をもち、技術やデータにかかわらず業界をこえたアルゴリズム構築を得意としている。食品流通から不動産分野まで多彩な自社サービスを開発する中で蓄積された知見を生かし、様々な企業のDX支援を行っています。またデータ活用によってSDGsに貢献することを目指し、ビジネスと社会貢献を両立させる新規事業開発にも積極的に取り組んでいる。