コミュニティ志向の空間設計とストリートアートが街に新たな表情を与える
インテリア・建築スタジオのConcrete Amsterdamが、アメリカで拡大を続けるUrbyブランドの一環として新たな集合住宅「Fishtown Urby」をフィラデルフィアに完成させた。本プロジェクトは地域に根づく産業建築の文脈を再解釈し、レンガ造りの5階建て構造に独自のカットアウトや異素材を組み合わせ、周辺街区に開かれた建築として設計されている。
建物は倉庫建築やレンガのタウンハウスが多く残る地域性を反映し、一見すると重厚なボリュームを持つ。しかし部分的に切り開かれたファサードは光と視線の抜けを生み出し、建物のスケールを和らげながら内部空間に豊かさをもたらす。外周を巡るダークグレーの大型窓は自然光を最大限に取り込みつつ、高架鉄道に面した立地特有の騒音対策にも寄与する。窓上部の高さは室内用途に合わせて調整され、寝室側は低く、リビング側は広い眺望を確保する設計となっている。
居室内部は本ブランドが打ち出している「実際の床面積以上の広がりを感じられる住空間」を体現しており、効率的なレイアウト、開放的な動線、細部の調整により、都市生活に適した快適性が追求されている。「日々の暮らしに直結する建築的ディテールを徹底した」とConcrete AmsterdamのErikjan Vermeulenは語る。
外構にはベルギー人ランドスケープデザイナー、Bas Smetsによる2つの中庭が設けられた。North Front Street側には深い緑色のスタッコと豊かな植栽で構成された開放的な中庭が広がり、Shawn Hausman Designが手がけたカフェテラスが街に向けた賑わいを生む。またHope Street側には住民向けの機能を集約した中庭が配置され、BBQステーションやドッグパークがコミュニティ形成を促している。
建物の角には複数の商業スペースを設け、街路レベルのアクティビティを確保。5階にはEliane Le Rouxが設計した共用テラスがあり、フィラデルフィアの街並みが一望できる。またYuria Kailichによる隠れ家のような設えが、住民に非日常的な空間体験を提供している。
Cecil B. Moore Avenue側では、上層部分が大胆に切り取られた壁面がストリートアートのキャンバスとして活用され、Urbyが重視するアートの統合が象徴的に表現されている。制作にはStreet Art Todayとオランダ人タトゥーアーティスト、Henk Schiffmacherが参加し、地域の文化的背景と結びついた独自の表現が建築に新たな意味を与えた。
Fishtown Urbyは、居住機能に留まらず、地域との接続、文化的アイデンティティの提示、都市生活に寄与する空間づくりを同時に実現し、フィラデルフィアの活気ある地区に新たなランドマークとして定着しつつある。
- Courtyard – Dog Park Photo credit: Robert Tsai
- Dog Park Photo credit: Robert Tsai
- The Lobby Photo credit: Robert Tsai
- The Lobby Photo credit: Robert Tsai
- The Lobby Photo credit: Robert Tsai
- The Lobby Photo credit: Robert Tsai
- Work-from-home spaces Photo credit: Robert Tsai
Concrete Amsterdam
アムステルダムの歓楽街中心部にある運河沿いの建物を拠点とする、学際的なインテリアおよび建築スタジオ。1997年の創立以来、Concreteは従来の領域を超えるコンセプトを開発してきた。建築、インテリアデザイン、都市計画、ブランディング、コンセプチュアルなプログラミングなど、領域を問わず、Concreteの多様な才能が融合し、独自性と影響力のあるソリューションを生み出している。
根本的に、人を建築よりも上位に置き、デザインの本質が人とのつながりにあると考え形態は生活に従うべきであり、人々の暮らしや行動に自然に寄り添う環境をつくることが重要だと信じている。この人中心のアプローチこそが、Urbyとの協業の基盤にもなっている。

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