重慶の街並みを屋内に再現したCapitaMall Skyview

CLOUアーキテクツが伝統的なショッピングモールを再解釈し、都市生活の遊び心あふれる没入型体験へと変貌させた。重慶のなかでも活気あるランジアバ（Ranjiaba）地区の中心部に位置するCapitaMall Skyviewは10万平方メートルの開発プロジェクトで、重慶の独特な地形が持つ層状の複雑さとシネマティックな魅力を反映している。階段、橋、路地、そしてコンクリートの大地を切り裂く象徴的な青い街路標識が織り成す都市の迷宮を表現している。

CapitaMall Skyviewは単なる商業的な複合商業施設ではなく、階層構造で築かれた都市の本質をも捉えている。都市の構造から着想を得たモールは、重慶の垂直的な密度を反映した内部の街並みを再現している。訪問者は、地元のスピリットが表れた相互接続した広場、歩道、橋、アトリウムを渡り歩き、現代的で直感的なショッピング体験を楽しめる。

本施設の特徴のひとつに、空間を通じたストーリーテリングへのコミットメントがある。建築デザインからサインまで、すべての要素が都市の文化に根ざした物語を構成している。モールの内部は都市の街並みを巡る旅を模倣し、日常のショッピングを感覚的な体験に変える。色、質感、素材は、懐かしさを喚起しつつ機能性を強化するように意図的に選択されている。

デザインには大胆な視覚的対比が採用されており、特に重慶の象徴的な青い街路標識とモノクロの背景の対比は、親しみやすさと活気を同時に喚起している。これらの標識は単なる装飾ではなく、都市の混沌とした魅力の中で方向を導くものの象徴であり、モール内に存在することで地元訪問者に安心感と連続性をもたらしている。

施設内部において、CLOUは動きと休みのバランスを保つ空間のリズムを重視した。橋、バルコニー、エレベーターなどの動的な要素は、複数の階を接続するだけでなく視覚的なアンカーとして機能し、利用者が方向を把握する助けとなる。方向をナビゲートすることをデザインの核となる機能として捉えている。床のテクスチャー、天井のディテール、照明が連携し、過剰なサインに頼らずに訪問者が自然に探索できるように導いている。

サインはシームレスに統合されるよう設置され、タイポグラフィは清潔で読みやすく、英語にはCentury Gothic、中国語にはNoto Sans SCが採用された。色分け（1階は赤、2階は黄色、3階は青、地下階は中立的なトーン）は直感的なナビゲーションとして機能している。クライン・ブルーのパネル、シルバーアナダイズドステンレス鋼、ホワイトアルミニウムなどの素材は、モールに洗練された現代的なアイデンティティを与え、視覚的に印象的で機能的にも明確なデザインを実現している。

施設内は教育とエンターテインメントを融合したゾーン、小売店、歩道沿いのカジュアルなカフェなど、コミュニティの集いを誘う空間で構成されているが、これらは社会的ハブとしても機能している。これらスペースをつなぐ廊下が潜在的な出会いの場となり、すべてのアトリウムがミニチュアの広場となる。モールは、重慶の街並みと同じように、偶然の出会いと共有空間を通じて、自然な形で社会的交流を促進している。

CapitaMall Skyviewは重慶の街並みを再現するだけでなくその精神を現代的で歩行可能な内部空間に凝縮しており、動き、文化、複雑さで定義される都市へのオマージュである。都市の懐かしさを現代的な体験に変換することで、このモールは単なるショッピングスポットを超え、重慶そのものを反映する存在、つまり層を重ねた、映画のような、そして生き生きとした空間となっている。

CLOUアーキテクツ

Jan Clostermannが設立。北京、上海、リスボンに拠点を置く国際的な建築家とデザイナーのチームで「世界最高のソーシャルスペースをデザインする」という一つの中心的なミッションを掲げている。現代の世界で最も活気ある場所——小売とレジャーの目的地、大規模な複合施設、コミュニティの拠点——に焦点を当て事業を展開。人間を中心に据えたプロジェクトを設計し、社会的交流と本物の集団的アイデンティティを生み出す新たな環境を創造することに注力している。