A + AWARDS 2022のUnbuilt hospitality部門において審査員アワードを受賞
建築スタジオ アイライシン・アティノムによって設計され、国際的な建築プラットフォームArchitizerが主催するA + AWARDS 2022のアワードを受賞したこのアーチ型レジデンスは、ギリシャのサントリーニ島のイア地区にある岩場立つ。サントリーニ島は小さな円形の群島で最大の島であり、火山のカルデラの名残のあるエーゲ海南部に浮かぶ島である。
デザインの原則
北西風を防ぐこと、海や地中海の火山景観を眺めること、居住者のプライバシーを確保することを主な目的として設計されたアーチ型レジデンスは、岩盤が多く北向きの敷地に立ち、エリアを支配する強い北西風にさらされている。そこで、建物のボリュームを小さく分割することで、風から守られながら、海やシクラメンの風景を眺められる屋外空間を多く設けることを目標とした。立方体の住宅は敷地の傾斜に沿うように配置され、島の田舎にある伝統的な住宅に似た集落を形成している。
サステナビリティ
設計提案のもう一つの重要な目的は、建築の持続可能性含むこと。構造は地元の石材を使った石組みとアーチ型の天井で構成され、できるだけ地元産の建材を使用することに重点が置かれた。建物の厚い石造りの外壁は大きな熱容量を持ち、壁材には古代ギリシャで発見されたエコロジカルな天然漆喰「クーラサニ」を淡い色調で提案された。オフホワイトの色は日射を反射し、建物の過熱を防ぐ。サントリーニ島の火山灰とセラミック・天然石パウダーの2つの成分が含まれており、どちらも優れた水硬性で知られている。
大きなアーチ場部分は、建物の東側ファサードに配置されているが、北側にも小さなアーチがあり、暑い時期の住宅の冷房に役立つ。最も高い位置にある屋根裏部屋にはこの地方の建築様式である天窓があり、夏の夜、上階に集中する熱気を排出するのに役立る。さらに木や葦のパーゴラや、登山植物や樹木などの植栽で日陰を作っている。
アイライシン・アティノムについて
ギリシャのアテネに拠点を置く建築スタジオ アイライシン・アティノムは、2010年に設立。チームはギリシャ、フランス、ベルギー、キプロスの都市部と農村部の両方で、小規模から大規模なプロジェクトの設計と実施を行っている。彼らの専門分野は、建築、修復、都市計画、地形、景観デザイン、グラフィックデザイン、工業デザイン、フォトリアリズム、バーチャルリアリティ体験の創造などで、チームは建築は周囲の景観や人間の幸福と調和するものでなければならないと考えている。