生活の質に密接に関係した建築

ABCPアーキテクチャーMSDLアーキテクツビロドー・バリル・リーミング・アーキテクツによる共同プロジェクトである、カナダ・ケベック州の「The New École Secondaire du Bosquet」が完成した。ケベック州政府は2020年以降、新世代の学校づくりを目指したビジョンにおいて、ステートメント「社会は、ストーリーを語り、卓越性を鼓舞する革新的な建築を必要としている」を明確に強調している。このビジョンのもと本プロジェクトは進められ開校、2024年秋に第一期となる学生たちを迎えた。

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Photo credit: Séphane Brügger

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Locker area for students
Photo credit: Séphane Brügger

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Photo credit: Séphane Brügger

ドラモンヴィルのサン・ニセフォール地区に位置し、本プロジェクトの設計において重要な役割を果たした森林地帯の端に位置する新校舎は、生徒の進路を積極的にサポートする刺激的な環境を提供している。

歩道、小道

敷地に入ると、そこは森の中。人々が集う空間がバイオフィリックスクエア(自然とつながったこの学校の特徴的な空間)とベンチによって構成されている。視野は広がり、まるで自然の存在が主張されるよう。一方2階では、建築的な迷路が続き、講堂と光に満ちた広大な図書館の前の中央歩行空間が連なっている。そしてそれぞれのエリアは、森の壮大さと威厳を感じさせる自然とつながっている。

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Photo credit: Séphane Brügger

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Photo credit: Séphane Brügger

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Photo credit:
ABCP | Menkès Shooner Dagenais LeTourneux | Bilodeau Baril Leeming Architectes

すべてのファサードに設けられたたくさんの窓と、森の色調にマッチしたブロンズ色のアルミパネルに組み込まれたサンスクリーンは、梢を透して差し込む暖かな光をさりげなく連想させる。屋外スペースは、隣接する森林を反映しているように植栽が豊かに施されている。学校前の広場から中庭へ、スポーツ施設と本館の間にある広い階段状の開口部を通り抜けるとすべてが自然と絡み合い自然に包まれている。このような環境で、学校と森は一体となる。

MSDLアーキテクツ

1994年の設立以来、メンケス・シューナー・ダゲネ・ルトゥールヌ・アーキテクツは、持続可能な開発と建築環境の長寿命化に焦点を当てた革新的な建築を創造し、人々を設計プロジェクトの中心に据えてきました。長年にわたり、施設、住宅、商業、文化、企業の各分野において、卓越した住環境の創造に取り組んできた。数々の権威ある建築賞を受賞し、チームのノウハウと才能を浮き彫りにしてきた。

ABCPアーキテクチャー

1987年に設立されたABCPアーキテクチャーは、その独創的で構造的なプロジェクトで、カナダ国内はもとより国際的にも有名である。小中学校、CEGEP、大学パビリオンなど、あらゆる規模の学校建築プロジェクトを150件以上手がけ、その多くがその品質、革新的なアプローチ、エコロジカルなデザインで賞を受賞している。

ビロドー・バリル・リーミング・アーキテクツ

ビロドー・バリル・リーミング・アーキテクツは、ジャン=フランソワ・ビロドー(トロワ=リヴィエール、1998年)、ドゥニ・バリル(ドラモンヴィル、1983年)、ジェームス・R・リーミング(レヴィス、2007年)の3人の設立者にちなんで、1983年に設立されました。ジャン・フランソワ・ビロドー、ジェームス・R・ルミング、ニコラ・ビロドー、マリオ・サン・ローラン、ジャン・セバスチャン・グラベル、エミリー・カロンら建築家とそのチームは、それぞれの経験の相補性と類似性によって結ばれ、建築物を通して、人類と日常生活の課題に適応した環境と居住空間を提供している。