彫刻的なプレキャストコンクリート

カンクンにおけるルイ・ヴィトンとの最初のコラボレーションから12年を経て、メキシコを拠点とする建築スタジオ・Materiaが同地に戻り、ブティックのファサードをダイナミックかつ感覚的な外皮へと変容させる新たな建築的介入を行った。かつて木製パネルで探求したテーマを引き継ぎながら、本プロジェクトではプレキャストコンクリートに焦点を移し、その可塑性を活かして、ルイ・ヴィトンを象徴するフラワーモチーフを、光と影によって表情を変える彫刻的レリーフとして再解釈している。

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Photo: Jaime Navarro Soto

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Photo: Jaime Navarro Soto

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Photo: Jaime Navarro Soto

ファサードは単一のモジュールから構成され、それを反復することで、連続性と視覚的な躍動感を備えた表面が形成される。精密に設計された各ユニットは、構造要素であると同時に光を媒介する装置として機能し、統一された建築的アイデンティティに寄与する。これらのモジュールはシステムとして統合されることで個々の役割を超え、オリジナルデザインの記憶と、感情や豊かなディテールを表現するコンクリートの可能性とを重ね合わせている。

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Photo: Jaime Navarro Soto

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Photo: Jaime Navarro Soto

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Photo: Jaime Navarro Soto

本プロジェクトを通じてMateriaは、素材研究と表現的構築に対するたゆまぬ姿勢を表現した。形式的・技術的な精度と同等に、感覚的体験を重視する建築的アプローチをあらためて強調している。

Materia

2006年にメキシコシティを拠点にグスタボ・カルモナとリサ・ベルトランによって設立された。素材のクラフトマンシップ、クライアントそれぞれの要請、そして周囲の文脈との密接な関係性を重視し、親密な雰囲気を備えた統合的なプロジェクトの構築を特徴としている。

設計プロセスは、プロジェクトの要件と周辺環境の特性を深く理解することから始まり、機能プログラムと感覚的体験を融合させた空間を、現代的な建築言語によって表現する。Materiaは空間とは転換点となり得る知覚的体験の場であるべきだと考えており、その思想を「ATMOSPHERE DETAILED(細部まで設えられたアトモスフィア)」という言葉に集約している。