パブリックアートと自然の融合

デザイン、自然、詩的な瞑想の交差点のようなカナダ・ケベックのポワソン・ブラン地域公園の孤島に設置された彫刻インスタレーション「Faire le vide」が、パブリックアートを瞑想的な自然体験として再定義している。アーティスト兼建築家のルカ・フォルティン(Luca Fortin)とアトリエ・モック/アップ(atelier mock/up)のコラボレーションにより考案され、公園の島々で計画されている文化的な介入の第一弾として設置された。視覚的な景観を豊かにするだけでなく、訪問者に自然の中での静かで内省的なアート体験を提供することを目的としている。

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Photo credit: Maryse Béland

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Photo credit: Maryse Béland

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Photo credit: Maryse Béland

あまたある島のなかでも第22号島に設置されたこのアート作品は、カヌーやカヤックでしかアクセスできない。遠目には最小限の木製キューブとして現れるこの構造物は、控えめな単一形態が風景からさりげなく浮かび上がるように設計されている。この堅固な外見と対照に、驚くほど流動的で複雑な内部空間へとつながっており訪問者に内省的な時間をもたらす。角張った外殻と有機的な内部空間の対比により、訪問者はゆったりと自然に耳を傾け、周囲の風景を新たな視点で捉え直す機会となる。

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Photo credit: Maryse Béland

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Photo credit: Maryse Béland

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Photo credit: Maryse Béland

このインスタレーションのデザインは、その環境に呼応するように作られた。オフサイトでの完全なプレファブ化と手作業での輸送により、「Faire le vide」は重機を使用せずに組み立てられ、原生の風景を損なわないように設計されている。CNC加工で精度を追求したラミネート杉の形態は、技術的な卓越性と職人技への感性を反映している。外側では垂直のスリットが周囲の森林を反映し、内側では加工工程で残された渦巻く工具の跡が、水面の風紋や岩面の筋模様のように自然のパターンを想起させる。

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Photo credit: Maryse Béland

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Photo credit: Karma Photographie

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Photo credit: Irvin Burel

デジタル製造と伝統的な素材の融合は、触覚的で没入感のある体験を生み出し、形と精神の両面で風景の一部となることができる。「faire le vide」とはフランス語で「空ける」または「空間を作る」という意味だが、休息、瞑想、そして自然とよりよく関係性を保つ空間として機能しているこの作品の理念を適切に表現している。

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Photo credit: Behind Creation

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Photo credit: Maryse Béland

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Photo credit: Maryse Béland

訪問者は本作品にこもることにより、アート、建築、風景の境界に思いをはせる。それは静けさ、孤独、職人技が変革的な出会いを形作ることを思い出させる体験で、遠隔地が親密になり、自然世界が単に観察されるだけでなく、深く感じられるような出会いである。

ルカ・フォルティン

ケベック・シティで活動。アーティスト兼建築家として、物質と記憶、空間と物語を織り交ぜている。アメリカ建築家協会からヘンリー・アダムズ栄誉賞を受賞した彼の作品は、中国とインドで展示され、ケベックでの個展とグループ展にも出品されている。彼の作品は、ロト・ケベック、デジャルダン、メデューズなど、複数の公共・私人コレクションに収蔵されている。

アトリエ・モック/アップ

ケベック・シティの工業地区の中心部に位置するモック/アップは、パラメトリックデザインとデジタルファブリケーションを専門とし、建築とデザインの境界を自由に行き来するスタジオ。彼らのオフィススペースは、ワークショップスタジオと倉庫に隣接しており、知識とノウハウが融合した統合的なアプローチを体現している。モック/アップのアプローチは、デザイン、研究、製造のシナジーに基づしており、最もユニークなコンセプトを具体的な実現へと変革する能力を有している。建築家やデザイナー、文化・学術機関、アーティスト、民間企業との協働を通じて、新たなデザイン手法を探求し、独自のアイデアを現実のものにすることを目標としている。