革新的な布づくりでテキスタイルの世界の第一線を走り続ける
テキスタイルデザイナー須藤玲子と須藤が率いるNUNOの活動を包括的に紹介する大規模個展「須藤玲子:NUNOの布づくり」が、須藤とゆかりのある茨城県の水戸芸術館現代美術ギャラリーで2024年2月17日(土)から5月6日(月・振休)まで開催する。須藤は日本の伝統的な染織技術と現代の先端技術を組み合わせ、従来にない素材をテキスタイルに取り入れるなど、常にその革新的な布づくりでテキスタイルの世界の第一線を走り続けてきた。
本展では須藤が日本各地の職人・工場と協働で取り組んできた布づくりについて、普段は見ることのできないその舞台裏を豊富な資料や齋藤精一のアーティスティック・ディレクションによるマルチメディア・インスタレーションで展観する。2019年に香港のCHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)で企画・開催され、その後イングランド、スコットランド、スイス巡回を経て、国内では丸亀市猪熊弦一郎現代美術館に続き、今回、水戸で開催される。水戸では新たに水戸藩ゆかりの「水戸黒」を用いた「こいのぼり」、磯崎新設計による美術館を象徴するタワー建築をモチーフとした新作テキスタイルも登場する。
テキスタイルデザイナー須藤玲子とNUNOの布づくりを包括的に伝える大規模個展
1983年にテキスタイルデザイン・スタジオNUNOの設立に参加した須藤は、約40年間デザインディレクターとして創造性と実用性に富んだテキスタイルを生み出してきた。本展では須藤の代表作を通してその創作の姿勢を伝えるとともに、NUNOのテキスタイルを世に送り出してきた日本各地の工場にも焦点を当て、「布づくり」を支える創造的かつ技術的なプロセスを包括的に紹介する。
NUNOの布が「出来るまで」 舞台裏を大公開
完成したテキスタイルに留まらず、デザインの源泉や制作過程からテキスタイルデザインに注目する画期的な展覧会はテキスタイルの生産工程や開発プロセスを豊富な資料で詳らかにし、NUNOのテキスタイルデザインの全貌に迫る。齋藤精一のアーティスティック・ディレクションによる工場での生産の様子を再現したインスタレーションは「布づくり」のプロセスをハイライトし、臨場感をもって伝える。
館内を自由に泳ぎ回る「こいのぼり」
大空間を泳ぐ色とりどりのNUNOオリジナルテキスタイルを用いたインスタレーション「こいのぼり」。今展に向け、水戸藩に由来する染色技法「水戸黒」の再生に取り組む水戸市内の職人とともに、特別なこいのぼりの制作にも取り組んでいる。
磯崎新設計のシンボルタワーがテキスタイルに
水戸の街で特別な存在感を放つ磯崎新設計による美術館のシンボルタワー。今展では須藤が磯崎へのオマージュとして、このタワーをモチーフにデザインした新作テキスタイルを初公開する。
須藤玲子(すどうれいこ)プロフィール
1953年茨城県石岡市生まれ。布代表。東京造形大学名誉教授。日本の伝統的な染織技術から現代の最先端技術を駆使し、新しいテキスタイルづくりをおこなう。作品はニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館、ボストン美術館、ロサンゼルスカウンティ美術館、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館、東京国立近代美術館など、世界の名だたるミュージアムに収蔵されている。2022年第11回円空大賞受賞。
「須藤玲子:NUNO の布づくり」開催概要
会期 | 2024年2月17日(土)から5月6日(月・振休)まで |
時間 | 10:00 ~ 18:00(入場は 17:30 まで) |
会場 | 水戸芸術館現代美術ギャラリー、広場 |
URL | http://tinyurl.com/um4uwbuj |