“建てないホテル”という選択 ジャパンディーデザインの新しい滞在拠点

名古屋市から車で約15分、静かな郊外・東郷町に、建てない宿泊施設「NikkaHotel東郷店」が誕生した。木のぬくもりに包まれるトレーラーハウス型の客室と、自然光が差し込むジャパンディーデザインの空間。調整区域や遊休地にも柔軟に設置できる機動性を備え、都市近郊の新たな宿泊のかたちとして注目されている。

NikkaHotel東郷店　外観

“建てないホテル”という選択肢

「NikkaHotel東郷店」は車両として扱われるトレーラーハウスを宿泊ユニットに活用した、新しいタイプの郊外ホテルである。建築確認や基礎工事が不要なため、調整区域や一時的に空いた土地でも設置・運用が可能。環境への負荷を抑えつつ、柔軟な施設運営を実現している。施設は、名古屋・豊田両市からアクセスしやすい立地にあり、「ららぽーと愛知東郷」や知多方面への移動拠点としても機能する。都市と自然の中間にある絶妙な距離感が、日常と非日常のバランスを保っている。開業は2025年10月3日。ビジネス出張、観光、帰省など、幅広いニーズの宿泊客が利用しており、年配者や親子連れ、女性の一人旅、インバウンドなど多様な層に支持されている。敷地内には宿泊者専用のラウンジ棟も併設され、フリードリンクサービスや無料Wi-Fi、専用駐車場など快適な滞在環境を提供している。

ラウンジ棟　フリードリンクサービス

ツインルームタイプ

ジャパンディーデザインで味わう静かな時間

客室には、自然素材の質感と大きな窓からの光が印象的な「ジャパンディー」スタイルを採用。和の静けさと北欧の温かさを融合させた内装は、旅先での落ち着いた時間を演出する。洗面台・トイレ・シャワーのほか、テレビ、エアコン、冷蔵庫、ドライヤーも標準装備し、快適性にも配慮されている。

ツインルームタイプ　室内

セミダブルルーム　特徴的な大きな窓

地域とともに生きる社会貢献型ホテル

「NikkaHotel東郷店」は、地域との共生も視野に入れた「社会貢献型ホテル」である。災害時にはトレーラーハウスを仮設住宅として活用する構想や、今後はペット同伴室やBBQエリアの整備も予定している。土地オーナーや自治体との連携により、観光だけでなく、防災や地域活性の機能も担う複合的な施設としての可能性を秘めている。

トレーラーハウスが示す土地活用の未来

可動性の高いトレーラーハウスは、空き地・調整区域・狭小地といった未利用土地の活用モデルとして注目されている。「NikkaHotel東郷店」は、宿泊施設としての機能にとどまらず、地方創生や土地活用における新たな選択肢を提案している。