伝統と持続可能性が融合した地中海のオアシス

地中海建築と現代的な環境原則を融合させた建築事務所NBJアーキテクツの手掛けた「レ・ジャルダン・ド・ヴェルシャン」は、モンペリエ郊外のカステルノー・ル・レのユリイカ地区にある。138戸のアパートメント(うち60戸をNBJアーキテクツが設計)を擁するこの住宅プロジェクトは、新鮮さと自然への敬意がバランスよく調和した、地中海のライフスタイルの真髄を体現している。

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Photo credit: Paul Kozlowski

NBJアーキテクツとBLP & Associésの2つの建築事務所が設計した「レ・ジャルダン・ド・ヴェルシャン」は、地中海の美学を現代的なタッチで表現している。このプロジェクトの中心には、新鮮なオアシスのようなセントラル・ガーデンが広がり都会の喧騒から逃れることができる。また、この地方を象徴する白はすべてのファサードに浸透し、明るい南の光を反射し、自然環境と完璧に調和した落ち着きのある明るい雰囲気を作り出している。さらに、環境保全へのコミットメントを体現し、生物多様性と静寂をもたらす空間を創造している。

アパートメントは地域の温暖な気候を最大限に活用できるよう、大きな日陰のテラスを備えている。広々とした屋外スペースはインテリアの自然と繋がり、居住者に屋外で生活する機会を提供している。快適さと親密さを保つため、ファサードの回廊はフィルターの役割を果たすと同時に、空間に活力を与える影と光を取り込んでいる。

持続可能性と環境尊重の価値観に根ざしたこのプロジェクトは、単なる不動産プロジェクト以上のものを示している。モダンで快適な住環境を提供しながら、地域の文化と環境の豊かさを称える、真の生活芸術なのである。

NBJアーキテクツ

2000年にエロディ・ヌリガとジャック・ブリオンによって設立されたN + B architectsは2013年にNBJ Architectesとなる。2人ともENSAMの卒業生であり、モンペリエ国立高等建築学校(ENSAM)の教授でもある。現在の組織では建築、都市計画、持続可能な環境問題に精通したプロフェッショナルがチームを組み、プロジェクト開発の新しい方法を模索するプログラムに取り組んでいる。彼らのプロジェクトは、建築、都市を問わず、様々なスケールのものがあり、さまざまなアワードを通じて評価されている。また、建築文化の普及に力を注ぎ、2006年にはモンペリエ市内の個人邸宅の中庭に若手建築家を招聘する「Festival des Architectures Vives」を毎年開催している。