「Rethinking Anonymous Design - 名前が消えるとき 展」
1960年の「世界デザイン会議」から今年で60年。ATELIER MUJI GINZAは、2020年10月23日(金)から2021年3月14日(日)まで、Gallery1にて「アノニマス・デザイン」を再考する展示「Rethinking Anonymous Design - 名前が消えるとき 展」を開催する。
「アノニマス・デザイン」。それは一般に、日常の量産品における匿名性、作り人知らずという意味で語られる。日本では、1960年に開催された「世界デザイン会議」で、プロダクトデザイナー柳宗理が初めて発言し広く知られるようになったた。柳宗理はのちに次のように書いている。
「デザインという言葉が巷の人口に膾炙(かいしゃ)され、猫も杓子もデザインと言われて、デザイナーがもてはやされてから間もなく、それに対抗して、デザイナーが関与しないデザインもあるという認識から、アノニマス・デザインという言葉が出て来たと言えるだろう(『無印の本』リブロポート1988年
)」。
ATELIER MUJI GINZA Gallery1では、福岡のインテリアデザイナー永井敬二の膨大かつ貴重なモダンデザインのコレクションの一部を借りし、3つの展覧会を開催してきた。自身のコレクションについて、永井が繰り返し語ってきたこと、それは「デザイナーやブランドの名前であるとか、歴史的に重要だからという理由でモノを欲しいと思ったことは一度もない」という矜持。結果として「永井コレクション」の大半にはデザイナーの署名があったが、すべてのモノに共通するのは声高な主張を控えた、てらいのない表情とかたちが与えられていること。これは、モノにまつわる情報から離れ、自身の審美眼によって築いた独自の「アノニマス・デザイン・コレクション」なのではないだろうか。優れたデザイナーが関わっているからこそ卓越した「アノニマス」も誕生する。
本展では、こうした視点から選んだ「永井コレクション」の20世紀の有名無名の良品、約100点を中心に展示が行われる。会場には年代、作者名、メーカー名などは記載せず、モノは並列に配置される。名前が消え、モノの機能とかたちを無意識の眼で見るとき、私たちの対象との関係性はどのように変わるのかを考える試しみとなる。
Rethinking Anonymous Design - 名前が消えるとき 展概要
会期 | 2020年10月23日(金)〜2021年 3月14日(日) |
時間 | 10:00 - 21:00(営業時間・休館は、店舗に準じる) |
会場 | 無印良品 銀座 6F ATELIER MUJI GINZA Gallery1 |
主催 | 無印良品 |
入場料 | 無料 |