スタジオ・サブセットの手掛ける「病気の花」が第17回ヴィーヴ建築祭で審査員アワードを受賞

デザイングループのスタジオ・サブセットの手掛けたアートインスタレーション「病気の花」が、フランスのモンペリエで開催された第17回ヴィーヴ建築祭で審査員アワードを受賞した。COVID-19の大流行から3年以上が経過した今、自分たちは「健康」にどのような価値を置いているのか。接触制限、夜間外出禁止令、頻繁な検査と監視が厳格に行われていたコロナ禍での状況と、どれほど違うかを改めて考える機会を与える。

Flower meadow- the installation from above
Photo credit: Paul Kozlowski - Photoarchitecture

フェスティバルのテーマである「神聖さ」の解釈として、ハンナ・フクセンベルガー、アンネ・フルール・イジング、アティード・ヨナス・ラングバイン、ジャンナ・ノイマン、ヘリオ・フィリップ・シュピースは、美的かつ官能的な体験を通してCOVID-19パンデミックの余波との感情的な関わりを誘発するインスタレーションを構想した。白い花のように1,482本のCOVID-19の抗原検査キットが青い台の上に浮かぶ「病気の花」は、どのような価値を見出すかを問いかける。

Flower meadow - Les Fleurs de la Maladie
Photo credit: Paul Kozlowski - Photoarchitecture

Les Fleurs de la Maladie
Photo credit: Paul Kozlowski - Photoarchitecture

Detail of the installation
Photo credit: Paul Kozlowski - Photoarchitecture

このインスタレーションはモンテペリエの歴史的中心地にある代表的な中庭に、廃材を利用して作られた。ワイマールのバウハウス大学では消耗が激しいため廃棄されたアイアマンのテーブルトップ12枚が手作業でやすりがけをされ、中庭の木製スラットの下部構造にねじ止めされた。1,482回のCOVID-19の抗原検査キットが明確な幾何学的グリッドの1mmの金属棒上のパネルに設置された。金属棒はミュンヘンの学校から寄贈されたもので生徒のテスト用に購入されたものだったが、使用予定前に期限切れとなり、その後処分されることになっていた。

Interactive installation
Photo credit: Paul Kozlowski - Photoarchitecture

Les Fleurs de la Maladie - play with light and shadow
Photo credit: Paul Kozlowski - Photoarchitecture

素材を再設計し再利用することで、インスタレーション「病気の花」は芸術における環境に配慮した持続可能なアプローチをテーマ化するとともに、このような空間を幅広い解釈のために開放して鑑賞者に社会における健康の価値について考えるよう促した。

Installation in the yard of the Hôtel des Trésoriers de la Bourse
Photo credit: Paul Kozlowski - Photoarchitecture

The installation in the courtyard of the Hôtel des Trésoriers de la Bourse
Photo credit: Paul Kozlowski - Photoarchitecture

Les Fleurs de la Maladie
Photo credit: Paul Kozlowski - Photoarchitecture

スタジオ・サブセット

Subset - the Group
Photo credit: Paul Kozlowski - Photoarchitecture

スタジオ・サブセットは多様な視点、知識形態、コンピテンシーに基づいて活動しており、その学際的な構成は豊かな知識の元に成り立っている。また、リサーチとデザインに基づいたアプローチやプロセスを重視し、実験と失敗を受け入れている。地球を自分たちの家と考え、環境を大切にし、持続可能で責任あるデザインに取り組んでいる。