装飾という要素の持つ、規範や権力に抗う"ちから"に焦点を当て、花をモチーフとする6人のアーティスト

6名の作家によるグループ展「“Deconstructive Decoration” by Souya Handa」が六本木にある飲食併設のギャラリー「アートかビーフンか白厨」で、2025年6月3日(火)から6月28日(土)まで開催される。本展は、現在ニューヨークでキュレーション展を開催中の、気鋭のインディペンデントキュレーター・アーティスト半田颯哉が手がけている。

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出展アーティストは、アニメ表象によるエンパワメントの可能性を探る山本れいら、消費主義の中にある花を描き出すみょうじなまえ、客体化された「花」を写真によって捉え返す遠藤文香、ジェンダー化された花を解放する門倉太久斗(22世紀ジェダイ)、花の背後にある抵抗の象徴性を写す戸田沙也加、機能的な装飾に国家の権力性を見出す半田颯哉。装飾という要素の持つ、規範や権力に抗う"ちから"に焦点を当て、花をモチーフとするこれら6人が織りなす空間が広がる。

出展アーティスト

遠藤文香 / Ayaka Endo

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1994年生まれ。2021年東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻修了。自然や家畜動物を主なモチーフに、目に見えない感覚や存在を掬い上げるような幻視的イメージを制作。人間と自然のあいだに広がる関係性や、そこに宿る神秘的な気配をテーマに作品を展開している。主な個展に「when I see you, you are luminous」(Tokyo International Gallery、東京)など。

門倉太久斗(22世紀ジェダイ) / Takuto Kadokura (22nd century JEDI)

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アーティスト。武蔵野美術大学造形学部空間デザイン科ファッション専攻卒業。コムデギャルソンにパタンナーとして従事しながら、愛するアニメ、プリキュアをモチーフとしたネックレスを制作、「22世紀ジェダイ」としてSNSで発表し注目を集める。独立後、「門倉太久斗」名義で絵画作品を発表。花の絵をモチーフに男性性についての作品を制作している。

戸田沙也加 / Sakaya Toda

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1988年埼玉生まれ、女子美術大学大学院美術専攻洋画研究領域修了。主な個展に2025年「Voice of Silence」京都写真美術館ギャラリージャパネスク(京都)、2024年「東京にカンナの花を添える」KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY (東京)、2024年 TOKAS Emerging 2024「消えゆくものたちの言葉なき声」Tokyo Arts and Space (東京)など。醜さの中に内在する美しさを、動植物や女性を通して絵画や写真、映像などを使用し表現する。近年は友人や家族など身近な関係から生まれた問いやジェンダーについて扱った作品を制作。2025年6月に横浜美術館で個展を開催予定。

半田颯哉 / Souya Handa

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1994年浜松生まれ、広島出身。アーティスト、インディペンデント・キュレーター。テクノロジーと社会倫理の関係や、アジア・日本のアイデンティティを巡る問題に焦点を当てる。2019年、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程先端芸術表現専攻修了。また2023年に東京大学大学院学際情報学府修士課程を修了。アジアン・カルチュラル・カウンシルの2024年度ニューヨーク・フェローシップ・グランティーに選ばれている。

みょうじなまえ / Namae Myoji

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自身のこれまでの体験を契機として、女性の身体、性、アイデンティティとその消費をめぐる問題をテーマに作品を制作している。私たちのアイデンティティを形成しているものは何か、そしてそこから生まれる歪みに関する事柄を、常に社会と自分自身へ問いかけ続けている。主な展示に、SICF23 Exhibition部門グランプリ展「バベルとユートピア」(スパイラル/東京)、「I'll give you a name」(N project/大阪)、「ATAMI ART GRANT 2024」(熱海)、「CAF賞2022」(代官山ヒルサイドフォーラム)

山本れいら / Layla Yamamoto

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東京都生まれ。フェミニズムやポストコロニアリズムの視点によって日本の社会政治的状況を批判的に捉えた作品を制作する。日本の原子力史や戦後の制度的性暴力を批判的に考察し、アニメやマンガ文化をフェミニズムおよびクィアの視点から再解釈する試みを行う。

「“Deconstructive Decoration” by Souya Handa」開催概要

会期2025年6月3日(火)~6月28日(土)
時間17:00〜23:00
会場アートかビーフンか白厨
URLhttps://tinyurl.com/mt2uk83z