「書く」文化の探究に並ならぬ情熱を注いだ古筆学創始者のユニークすぎるコレクションに分け入る展覧会

センチュリー赤尾コレクション×斯道文庫 「書物ハンターの冒険:小松茂美旧蔵資料探査録 I」展が慶應義塾ミュージアム・コモンズ展示室で2025年3月17日(月)から5月16日(金)まで開催される。本コレクションは2021年に寄贈されたもので、なかには古筆学者・小松茂美(1925~2010)の約15,000冊におよぶ旧蔵書が含まれている。

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撮影: 村松桂(株式会社カロワークス)

本展ではこの蔵書の最大の特色である、「文字を書く」営みに関わる日本の古典籍を紹介。驚きに満ちバリエーション豊かな書物の森に迷い込む体験となる。

展覧会の構成と主な出品作品

書の書:書について書かれたさまざまな書物たち
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「三迹画像」、〔室町・江戸初期〕

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「弘安礼節」、〔鎌倉末南北朝期〕写

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「水辺に芦図」、松平定信賛・内田広恒画、文化 15 年(1818)成

伝えられる書物:著名な人物の手を経た書物たち
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「弘安礼節問答・玉章秘伝鈔抜萃・御産所御道具」、〔江戸中期〕写

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「妙法院宮諸大夫宛加藤千蔭書状」、〔文化 2 年(1805)〕差出

しらべる、くらべる:同じ?違う?版本を並べて板木の異同を見極める
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「手本重宝記」、〔中村三近子〕撰、元文 5 年(1740)刊・覆〔元禄 8 年(1695)刊本〕

珍書あらわる:コレクションに潜む珍しい書物たち
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「〔冬基卿記〕」、醍醐冬基撰、延宝 3 年(1675)写

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「尋源抄」、貞享 2 年(1685)刊

目録作成進行中:調査の過程で見出されたもの
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「〔思露〕」、二条良基撰、〔江戸前期〕写

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「巻数書」、慶長 5 年(1600)写

蔵書家、小松茂美:小松茂美の識語や蔵書印が残された書物たち
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「書札弁惑集」、上原茂雅撰、〔宝暦 10 年(1760)〕刊

センチュリー赤尾コレクション×斯道文庫 「書物ハンターの冒険:小松茂美旧蔵資料探査録 I」展 開催概要

会期2025年3月17日(月)~5月16日(金)
時間11:00〜18:00
会場慶應義塾ミュージアム・コモンズ展示室
URLhttps://tinyurl.com/25djpsxx