「AZアワード2023」を受賞

アイアートは、AMDLサークル、ミケーレ・デ・ルッキと協力して作成したノバルティス・パビリオンのゼロエネルギー・メディア・ファサードを発表した。有機太陽光発電とLEDを組み合わせたこの展示は、スイス バーゼルにあるノバルティス・キャンパスに最近オープンしたノバルティス・パビリオンに広がり、建築における有機太陽光発電の可能性を示している。

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Photo credit: iart – studio for media architectures

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Photo credit: Laurids Jensen

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Photo credit: Laurids Jensen

ゼロエネルギー・メディア・ファサードには、合計10,000個のダイヤモンド型のソーラーモジュールが備えられており、その中に埋め込まれたLEDライトが外側だけでなく、下の金属シェルの方向にも光る。光はシェルで反射し、半透明のソーラーモジュールを通して外側に輝くことで、コンテンツを表示させる多層の膜が形成される。

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Photo credit: Laurids Jensen

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Photo credit: Laurids Jensen

生成可能な電気エネルギーのみを消費する膜が、ゼロエネルギーのメディア・ファサードとなる。これらは、ノバルティス・パビリオン用にカスタムメイドされた炭素ベースの有機太陽電池モジュールによって可能になった。有機太陽電池モジュールは、その設計と物理的特性により、ドーム型のノバルティス・パビリオンでの使用に最適で、さまざまな形状で製造でき、曲げることも可能。半透明で非常に感光性が高いため、太陽の向きが理想的でない場所にも設置することができる。また、シリコン太陽電池モジュールよりも含まれるグレイエネルギーが少ないため、持続可能性の観点から見ても興味深いものとなっている。

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Photo credit: Laurids Jensen

ドーム型のノバルティス・パビリオンに太陽電池モジュールを配置することで、全方向で発電された電力を測定することができ、運用開始から最初の数カ月間に収集されたデータによると、ファサードは展示会が開いている日中はテキストを表示し、日没後は最大2時間デジタルアート・アニメーションを表示するのに十分な電力を生成していることが示されている。今後も十分なデータが入手できれば、数か月以内に広範な分析が可能となる。

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Photo credit: iart – studio for media architectures

アイアート

アイアートは、スイスのバーゼルに拠点を置くメディア アーキテクチャのスタジオで、2001年にバレンティン・シュピースによって設立された。デジタル・テクノロジーで物理空間を強化し、新しい体験を可能にする。このスタジオは、複雑なエンジニアリングと舞台美術の課題に取り組み、新しいテクノロジーを適用することで、デジタルを建築環境にシームレスに統合するという評判を築いてきた。これまでに、国際的に有名な建築家、アーティスト、美術館とコラボレーションし、世界中で数多くのデザイン・アワードを受賞している。