カラフルな色彩と独自のキャラクター

NANZUKAは、アメリカ人アーティスト、ケニー・シャーフの個展「I’m Baaack」を、NANZUKA UNDERGROUNDにて2023年6月10日(土)から7月9日(日)まで、また、草月会館にて、2023年6月10 日(土)から6月30日(金)まで開催する。本展はシャーフにとって日本のプライマリーギャラリーにおける展覧会として、約30年ぶりとなる新作個展となる。

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Kenny Scharf AKAO 2023
Acrylic & oil on linen with powder coated aluminum frame
H152.4 x W182.8 cm INV#: KES_007
©Kenny Scharf
Charles White of JWP Photography
Courtesy of NANZUKA

草月会館においては、イサムノグチ石庭における新作の立体彫刻作品のインスタレーションに加えて、1985年に草月会館が主催した「アートインアクション」展の際に、シャーフ自身がペイントと改造を施したキャデラック「夢の車」が38年ぶりに限定公開される予定。

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Kenny Scharf JANGARU! 2023
Oil, acrylic and silk screen ink on linen with powder coated
aluminum frame H152.4 x W182.8 cm INV#: KES_020
©Kenny Scharf
Charles White of JWP Photography
Courtesy of NANZUKA

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Kenny Scharf LOVE GROW 2022
Oil on flat screen TV H55.2 x W80.6 x D11 cm INV#: KES_024
©Kenny Scharf
Charles White of JWP Photography
Courtesy of NANZUKA

シャーフの作品の特徴は、何と言ってもカラフルな色彩と独自のキャラクターにある。「原始家族フリントストーン」や「宇宙家族ジェットソン」のファンを公言するシャーフは、こうした漫画アニメの引用から自身のキャラクターの着想を得たと語っている。宇宙人とも巨大化した微生物とも、植物の妖怪のようにも見えるシャーフのキャラクターについて、シャーフは自分自身や友人たちのメタファーであり、怒りや喜び、眠気、空腹といったごく自然な感情を表していると解説。

Kenny Scharf HAPOINTY GUY 1986 / 2021
Cast Aluminum Painted H122 x W77.9 x D29.7 cm INV#: KES_003
©Kenny Scharf
Charles White of JWP Photography
Courtesy of NANZUKA

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Kenny Scharf BLUMAMA 1986 / 2021
Cast Aluminum Painted H122 x W73.2 x D29.5 cm INV#: KES_002
©Kenny Scharf
Charles White of JWP Photography
Courtesy of NANZUKA

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Kenny Scharf REDDY GUY 1986 / 2021
Cast Aluminum Painted H122 x W81.7 x D18.9 cm INV#: KES_001 ©Kenny Scharf
Charles White of JWP Photography
Courtesy of NANZUKA

また、その色彩も、あらゆる感情を表すものと説明している。シャーフの作品における動き、スピード感は、そのまま即ち生命感という最も重要な文脈を担っている。本展覧会のためにシャーフが描きあげた新作には、変幻自在に形を変え、飛び回ったり、動き回ったりと表情豊かなキャラクターたちが登場。それは、良い意味でも悪い意味でも、人間の自由な姿を連想させる。

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Kenny Scharf AOAKA 2023
Acrylic & oil on linen with powder coated aluminum frame
H152.4 x W182.8 cm INV#: KES_008
©Kenny Scharf
Charles White of JWP Photography
Courtesy of NANZUKA

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Kenny Scharf NEWZ 2023
Oil, acrylic and silk screen ink on linen with powder coated
aluminum frame H121.9 x W152.4 cm INV#: KES_013
©Kenny Scharf
Charles White of JWP Photography
Courtesy of NANZUKA

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Kenny Scharf REDAKA 2022
Oil & acrylic on linen with powder coated aluminum frame
H152.4 x W121.9 cm INV#: KES_014
©Kenny Scharf
Charles White of JWP Photography
Courtesy of NANZUKA

完成した作品を注意深く見ると、そこには日本語で「温暖化」、「見えぬ道筋」、「原告」、「医療システム整備」といった言葉が散りばめられており、シャーフは今回の日本での個展にむけて、日本語の新聞を集め、日本人が現在向き合っているテーマに関するキーワードを画面の中に忍ばせている。若い頃にドラッグやエイズなどで多くの友人を失った経験を持つシャーフにとって、あらゆる社会の問題が、その創作活動の背景にある。

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Kenny Scharf NAMIGO 2022
Oil, acrylic & silk screen ink on linen with powder coated
aluminum frame H121.9 x W152.4 cm INV#: KES_012
©Kenny Scharf
Charles White of JWP Photography
Courtesy of NANZUKA

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Kenny Scharf LELLO 2023
Oil & acrylic on linen with powder coated aluminum frame
H182.8 x W152.4 cm INV#: KES_011
©Kenny Scharf
Charles White of JWP Photography
Courtesy of NANZUKA

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Kenny Scharf THE BOMB! 2023
Oil on linen with powder coated aluminum frame
H152.4 x W182.8 cm INV#: KES_015
©Kenny Scharf
Charles White of JWP Photography.
Courtesy of NANZUKA

また、本展では日本初公開となるインスタレーションを発表。シャーフは1981年に、使い古した玩具や家電といったファウンドオブジェクトとブラックライトを用いたインスタレーション「Cosmic Cavern」を発表。空間を丸ごとビビットなネオン色に変換し、没入型の視聴体験を提供するこの作品は、シャーフの芸術を象徴するシリーズとして現在も進化を遂げ続けている。

ケニー・シャーフ

1980年にNYのSchool of Visual Artsを卒業。その後、アンディ・ウォーホルをメンターとして、グラフィティやコラージュを主要な表現スタイルとする「イースト・ヴィレッジ・アート・ムーブメント」の一員として、バスキアやキース・ヘリングといった同世代のアーティストと共に一躍大きな脚光を浴びた。1985年には、ホイットニー・ビエンナーレに参加。自身のユニークな創作を説明するために「ポップ・シュルレアリスト」という用語を生み出した。近年の展覧会に、個展「Moodz」(Jeffrey Deitch,CA,アメリカ,2020)、「Super Pop Universe」(Lotte Museum of Art,ソウル,韓国,2018)、「Fast Forward_Painting from the 1980’s」(Whitney Museum of American Art, NY, アメリカ,2017)、「Hammer Projects」(Lobby Mural Hammer Museum,CA,アメリカ,2017)など多数。現在では、独自のキャラクターを駆使したアート作品という21世紀型ポップアートのトレンドに繋がる文脈を切り開いた先駆者として、多くの若いアーティストの尊敬を集めている。adf-web-magazine-kenny-schar-im-baaack-1

ケニー・シャーフ個展の「I’m Baaack」開催概要

NANZUKA UNDERGROUND2023年6月10日(土)から7月9日(日)まで
草月会館2023年6月10 日(土)から6月30日(金)まで