iFデザイン・アワード2023の金賞とA+Awards審査員賞などを受賞
tonoがデザインした屋久島のリジェネラティブという再生コンセプトが国際的に評価された。環境を保全するサステナブルな建築はこれまでもあったが、このプロジェクトでは環境を豊かにするという建築的な発想で実現している。再生建築は環境破壊を減らすだけでなく、土壌中の菌類バクテリアのために環境を改善するという観点から、環境を良い方向に変えることを念頭に設計された。
「Sumu Yakushima」のデザインは自然との関係を変える。住民が自然との関わり方の新たな可能性を発見し、考え方や行動を変えることで、世代を超えた自然との関係を築くことができる。このユニークな手法がもっと広まることで、環境問題への取り組みを加速させる可能性が高まる。
世界遺産であるこの地の、人と自然の絶妙なバランスを崩さないように細心の注意を払いながら、この建物には日本の匠の技が繊細に表現されている。この造形は、俳句のように、よく見るとその奥深さがわかる。
iF審査員
さらに、「Sumu Yakushima」は今年初めて導入されたA+Awards 2023の「サステイナブル・プライベートハウス」部門最高賞である審査員賞を受賞。同部門の他の建築ジャンルの受賞者には、フォスター・アンド・パートナーズ、UNスタジオなどがいる。また、ADF design award 2023の奨励賞を受賞、その他5つのアワードを受賞している。
「Sumu Yakushima」
屋久島は2,000メートル級の山々に降り注ぐ豊かな雨と千年杉が生い茂る鬱蒼とした森が育む、日本の南に位置する自然の楽園。この革新的な住宅は「リジェネラティブ建築」を応用し、人間の居住と周囲の自然環境との関係を再構築している。"Sumu"という名前は、「住む」と「澄む」の両方の意味を持ち、景観に良い影響を与えるような住まい方をするという核となるコンセプトを表現している。個別の敷地ではなく、山から海まで川の流域全体を見渡し、自然のプロセスに積極的に貢献する設計となっている。リジェネラティブ建築とは、日本の伝統的な土木工学と現代技術を融合させた、新しいアプローチである。
tono
tonoは小野司が屋久島に設立したリジェネラティブ建築設計スタジオ。tonoは「~との」「共に」「関係」という意味を表す。小野事務所は自然と人々との間に強く前向きな関係を生み出す建築物を設計するというテーマを掲げ、土の中の菌類やバクテリアを活用し、環境を豊かにする「リジェネラティブ建築」を得意とする。