ビバリーヒルズの一等地に建つミッドセンチュリー・モダニズムのワストホフ&ガリアンが設計した邸宅を改修

ロサンゼルスにはミッドセンチュリー・モダニズムに関連した住宅が豊富にあるが、ビバリーヒルズの一等地に建つワストホフ&ガリアン設計のこの邸宅もそのひとつである。しかしこの邸宅も長い年月を経て老朽化し、残念な姿に変わってしまった。現況との対話がデザインの出発点となり、デザイナー・スタジオ・ホイスによって改修されることとなった。

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Photo credit: Gerhard Heusch

改修にあたり、現存する古い写真に写っている特徴や素材が丁寧に復元された。入口にあった廃墟のような池は復元され、高い欄間のあるオリジナルの2mの木製ドアも5.5mの高さの回転式ガラスドアに取り替えられた。玄関から奥のパティオまで続く1階のテラゾー床も丁寧に修復され、ガレージから住居に直接アクセスできるようになっている。

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South Facade
Photo credit: Gerhard Heusch

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New Connection to the Garage
Photo credit: Gerhard Heusch

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Main Entrance
Photo credit: Gerhard Heusch

キッチンとダイニングエリアは、住居の主軸に沿って連続したひとつの空間として開放・拡張されている。メインスペースの前には大きめのテラスを設け、当時の南カリフォルニア建築に欠かせない屋内外のリビング・ダイニングを確保した。 このテラスと庭は新しく作られたインフィニティ・エッジ・プールに面している。

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Open Kitchen
Photo credit: Gerhard Heusch

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Living room
Photo credit: Gerhard Heusch

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New Pool
Photo credit: Gerhard Heusch

マスターベッドルームはバスルームとクローゼットを改造し、オリジナルのバルコニーを再現。今回は敷地内の景色とヤシの木を最大限に活用するためにガラスの手すりを取り付けた。空間は全体的に親密でありながら開放的で、自然光の陰影を生かして一日を通して変化するよう設計されている。また、厳選された素材の持つ情緒と感覚的な質感によって活性化されるようにもなっている。テラゾー、タイル、木材、フルーテッドグラスはこの邸宅の個性を表現している。

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Master Bedroom
Photo credit: Gerhard Heusch

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Master Bedroom
Photo credit: Gerhard Heusch

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Master Bath
Photo credit: Gerhard Heusch

ホイスについて

1991年にゲルハルト・ホイシュによって設立されたホイッシュ・インクは、ロサンゼルス、パリ、ブエノスアイレス、ホーチミンを拠点とする建築家・デザイナーのスタジオ。長年にわたり新築はもとより、既存建築物の改修、修復、再利用の分野で豊富な経験を積んできた。そのプロジェクトは住宅、商業施設、ホスピタリティ、インテリアデザインなど多岐にわたり、米国、ヨーロッパ、南米、アジアで完成している。