カリフォルニアモダニズムのフレーバーが詰まったパリのレストラン「Cali Uptown」

パリ10区の近く、20世紀初頭に建てられたアールヌーボー調のビルにある、カリフォルニア料理のレストラン「Cali Uptown」。この2,066㎡の敷地の店内インテリアとファサードの改修を、ロサンゼルスを拠点とする建築デザイン事務所UNLTDが手掛けた。クライアントの意向を反映し、南カリフォルニアのモダニストデザインムーヴメントを彷彿とさせる空間に仕上がった店内。開放的かつカジュアルなムードに溢れたレストランは、訪れた人々をアメリカ西海岸の旅へといざなう。

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Photo credit: Le Boulicaut Photographe

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Photo credit: Le Boulicaut Photographe

パリの街並みでもひと際目を引く真っ白なレンガ造りの外壁。その角に立つ鮮やかなピーコックブルーの柱に挟まれた入口が、訪れる人々を温かく歓迎する。むき出しになったコンクリートの柱など、躯体のデザインは極力控えて派手な色の装飾が際立つよう工夫している。道に面した大きな窓や、新しく導入した天窓や床面からの反射で、店内は自然光で溢れている。さらに、様々なサイズで用意した球状のペンダントライトが至る所に設置され、店内を明るく照らす。パームスプリングスを象徴するミッドセンチュリーモダニズムのテイストが、コンクリートのブリーズブロックのパターンや、外壁に沿った内側のサンドカラーなどに表れている。

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Photo credit: Le Boulicaut Photographe

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Photo credit: Le Boulicaut Photographe

店の中央で存在感を放つバーエリアは、馬の蹄の形に模られ、半透明のアクリル板の内側から放たれる柔らかな照明の光が周囲に優しいエネルギーをもたらしている。カジュアルなダイナーをイメージしたスツールは、セージ色のリノリウムを貼ったバーカウンターの前に設置され、足元にはコンクリートのフットレストが張り巡らされている。メインのダイニングエリアは様々なエッセンスを盛り込んだ折衷的なデザインで、自然体で落ち着ける空間となっている。店内のテーブルは、アメリカのレストランで使用されるものを調達。天板はラミネートで仕上げられ、側面はクロムメッキでバンディングしている。ブースは、ビンテージカーをイメージしたアイビーグリーンのビニールで覆われ、空間に本物らしさを与えている。

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Photo credit: Le Boulicaut Photographe

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Photo credit: Le Boulicaut Photographe

増設されたエリアの上空には大きな天窓が設置された。ここに、L字の長椅子と鮮やかな黄色の椅子を組み合わせて、アウトドアスタイルを完成させている。明るく開放的な空間に植物がふんだんに配置されることで、外の空間との繋がりが強化され、気ままな南カリフォルニアの風土が味わえる。

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Photo credit: Le Boulicaut Photographe

スタジオUNLTDについて

UNLTDは、2009年、ロサンゼルスに設立された建築デザイン事務所。インテリア建築、家具デザイン、照明デザインなどを手掛ける受賞歴のあるオフィス。クライアントのニーズに応えながら、機能的で快適な、美しい空間づくりを心掛けている。UNLTDは情熱あふれるクライアントとのコラボレーションを大事にしている。職人、料理人、貿易コンサルタントなど、あらゆる業種とのユニークなコラボレーションは、アイデアの相互作用を生み、幅広いサービスを提供できる強い関係性を育むことができる。