モントリオールのダウンタウンのパノラマビューを臨むミッドセンチュリーモダンのアーバン・シャレー
MXMAアーキテクチャー&デザインとPatrick St-Onge Habitatが、伝統的な木造シャレーの温かみのある親密さと、モダニズムのエレガンスを融合させたデザインが特徴の最新レジデンスプロジェクト「Party of two」を発表した。
トゥール・ド・ホライズン
元工場の角部屋のオーナーであった夫妻は隣接する住戸を手に入れるチャンスを得て、ユニークで没入感のある視覚体験ができる広大なリビングスペースを作り上げた。隣接した部分をつなげて3面開口の光あふれるアパートメントが誕生し、180度の壮大なパノラマが広がる。
邸宅の中心はすべてのサービススペースをまとめた中央のボリュームで構成され、リビングとレセプションエリアはこの機能的なコアを囲むように配置、パノラマを最大限に楽しみつつ空間の流動性を保っている。技術的な要素とサービス的な要素をこの中央のボリュームに集中させることで、建築家は大きな出窓の前のリビングエリアを解放し、各部屋が自然光と水平線を最大限に活用できるようにした。
機能的なコアとなるダークな木製の箱により明暗の鮮やかな遊びを生まれ、自然光と影のコントラストがどの空間にもダイナミックな雰囲気を生み出している。インテリア建築と一体化したこのボリュームは、それ自体がデザインのオブジェとなる。巧みに配置された開口部からは、マウント・ロイヤルを背景にした摩天楼のシルエットの印象的な眺望が浮かび上がる。
アート・オブ・リビング
エントランスを入ると、木造の繭のような前庭の落ち着いた雰囲気と、リビングスペースに降り注ぐ光のコントラストが印象的だ。前庭を出ると、すぐにミニマルなデザインのファースト・リビングに導かれ、くつろぎへと誘われる。部屋の中央には、すっきりとしたラインと快適さを兼ね備えたMjolkアームソファが置かれ、その両脇には、まさにオブジェのようなOMAスピーカーが2台並んでいる。音を吸収する木のテクスチャーの壁と天井が、落ち着いた雰囲気を作り出している。
続いて広大なダイニングルームが広がる。ダイニングはキッチンと繋がっており、夫妻は調理しながらゲストとコミュニケーションがとれる。邸宅の目玉ともいえるキッチンはふたつの大きなアイランドに沿って広がっている。キッチンの洗練されたモジュールは人間工学に基づいており、実用的なディテールや収納、機能的なスペースを巧みに隠している。東側には音楽室とバーがあり、レセプションエリアとして多目的に使える。ミュージックラウンジは家具から音響に至るまで入念に検討され、ユニークな音響と視覚体験を提供する聖域となっている。
夫妻はそれぞれに自分の寝室を選び、真の安らぎの場としてアパートのデザインに調和している。それぞれ東側と西側に位置し、自然光が降り注ぐ癒しの隠れ家のようだ。
感覚的な体験
夫妻の生活に対するこだわりを忠実に反映したこの邸宅において、素材のハーモニーは中心的な役割を果たしている。それぞれの素材がその美しさ、機能性、そして住居空間の感覚的な体験を高める能力のために細心の注意を払って選ばれた。木材においては様々な樹種を検討する中で、温かみのあるニュアンスと独特の木目が際立つスモーク・ユーカリを採用した。ミッドセンチュリー・モダンスタイルを好む夫妻によりに魅了されたオーナーは、繊細なパターンと洗練されたニュアンスを持つテラゾのフローリングを選んだ。テラゾーはアパートの素材の上品さを引き立て、木製の天井は包み込むような暖かさを加え、空間の快適さと親密さを強めている。また、グリーンの大理石はキッチン、バー、パウダールーム、寝室に洗練されたタッチをもたらし、戦後のモダニズムの美学を思い起こさせる。これらの素材はコンテンポラリーでありながら時代を超越した空間づくりに最適な選択となった。
- DAN’S SUITE Photo credit: Photographie Intérieure CO
- DAN’S SUITE Photo credit: Photographie Intérieure CO
- JAY’S SUITE Photo credit: Photographie Intérieure CO
- JAY’S SUITE Photo credit: Photographie Intérieure CO
MXMAアーキテクチャー&デザイン
持続可能な未来のために革新的でありながら、幸福を促進し、環境や私たち自身とのつながりを強める場所を創造することを目指して住宅や商業施設の設計を行っている。本事務所の建築家とデザイナーは、積極的に耳を傾け、クライアントのユニークなニーズを鋭く理解し、限界に挑戦する感性、創造性、協調性をすべてのプロジェクトの中心に据えて取り組んでいる。
Patrick St-Onge Habitat
35年以上にわたって建設事業に携わり、現代的な住宅プロジェクトを実現するための専門知識を培っている。革新、完璧、快適で尊敬に値する環境の創造を哲学としている。優れた品質ときめ細かな仕上がりに重点を置いている。