ソデクソの新オフィスはバイオフィリックでミニマリストなデザイン。クオリティ・オブ・ライフの向上を実現するスペース

フードサービスの提供や施設管理事業を展開する多国籍企業ソデクソ(Sodexo)の新しいオフィスが、モントリオールの複合施設内に完成した。地元の建築デザイン事務所L'AbriとVives-St-Laurentが手掛けた本プロジェクトは「クオリティ・オブ・ライフ」をコンセプトに、ウェルネス、柔軟性、革新性、そして職場環境における人間的・社会的性格の形成の重要性など様々な要素をベースにデザインされた。とりわけ、空間の動的な構成、温かでミニマリストなデザイン、そしてユーザーに優しい心地よいデザインが特徴。2020年の秋に完成した当プロジェクトは、パンデミックによって直面した苦境を受け、それを克服する要素が盛り込まれている。施工はモントリオールの建設会社Modulorが担当。

Photo credit: Raphaël Thibodeau

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個性、デザイン、マテリアリティ

オフィスは、モントリオールのラシーヌ運河のほとりにある1908年に建設された複合施設Domparkの中に建設。施設の大部分を占める広さ。間仕切りのないオープンな空間、高い天井、大きな窓は、100年の歴史ある建造物が本来有する特性を活かしたレイアウト。オフィスは窓に沿って配置。その奥に設置されたミーティングルームにも、広い窓から適度な自然光が降り注ぐ。表面処理は、既存のレンガ壁、工場の床、木材構造を利用して仕上げている。家具や照明は、木の質感を引き立てるものを選択。各個室は、温かく落ち着きのある色のフェルト、ラグ、カーテンを用いて、集中できる空間を作り上げている。

Photo credit: Raphaël Thibodeau

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柔軟性と革新性

当プロジェクトは、働く・共創する・集中する・交流する・料理する・瞑想する・学ぶ、これらすべてを行える場所を提供し、そのオープンなコンセプトは、公平性と共用性を引き出す。箱型のミーティングルームや個室は、空間を区切り、多様な労働環境を創り出している。プラグ＆プレイ ポッドをオフィスのあらゆる場所に設置するなど、作業の自由度を高めた様々な便利な機能は、高い技術に裏打ちされている。快適な作業環境を提供する昇降ワークステーション、様々な大きさのビデオ会議室、運河に面した窓際の席でネットワーク環境が整った静かな個別空間。社員は、これらの空間を自由に行き来することができる。オフィスの中央には、大きなダイニングルームと本格的なキッチンがマルチ機能スペースとして設置され、イベントの際には変形できる仕組みになっている。スペース利用のデータをリアルタイムで回収するネットワークセンサーを設置しており、空間の最適化に役立てることができる。

Photo credit: Raphaël Thibodeau

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ウェルネスとバイオフィリアの概念

当オフィスは、ユーザーの健康とウェルネスを基準にデザインされている。デザインチームが空気、水、光、音、そして各素材において厳しい基準を持って取り組んだことにより、非常に高い品質が確保され、健全でサステイナブルな環境が完成している。ソデクソの活動の根幹でもある、栄養の重要性は、中央のキッチンに表れている。このキッチンには、シェフもオフィススタッフもアクセスできる。豊富な植物と自然光、窓から望む広大な景色、木目、そしてナチュラルな色合い、これらが当プロジェクトのデザインの基礎であり、プロジェクトを象徴するものでもある。これらのアプローチが、ソデクソの地域への貢献を表し、また「クオリティ・オブ・ライフ」というコンセプトになくてはならないものとなっている。

Photo credit: Raphaël Thibodeau

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デザインビルド方式と地域との連携

L'AbriとModulor、Vives-St-Laurentの3社がデザインビルド方式で進めたプロジェクトは、作業開始と同時に起きたパンデミックの中でも、費用を抑え、予定期間内に高品質の結果を生み出すことができた。包括的なデザインメソッドとローカルサプライヤーや顧客との密な連携により、新たに直面した健康危機に対応しながら、健康とウェルネスを重視した理念に基づいて遂行することができた。

Photo credit: Raphaël Thibodeau

この「クオリティ・オブ・ライフ」のコンセプトのもと、高い品質と審美性を兼ね備え、ユーザーの健康とウェルネスを意識した事例が、どのような利益をもたらすのか。将来のワークスペースを考えるデザイナーに、最高のケーススタディーを提示できたのではないだろうか。

Photo credit: Raphaël Thibodeau

L'Abriについて

L'Abriは、モントリオールの建築設計事務所。デザインビルド方式によるアプローチで、ターンキープロジェクトを提供している。環境に配慮した、サステイナブルな建築に特化し、革新的なソリューションでウェルネスを重視した環境づくりに取り組んでいる。

Vives-St-Laurentについて

Vives St-Laurentは、2018設立のモントリオールの建築スタジオ。生きた環境を用いて、機能性と審美性と融合させる手法を取る。時代を超越した、直線的で幾何学的な空間や、過去や未来を感じさせる質感を創りだすことに高い関心を寄せている。