地域社会に誇りを

JGMAが手がけた「ニール・マス＆サイエンス・アカデミー」はシカゴの郊外にある黒人と褐色のユニークな街、ノース・シカゴ学区にある。ノース・シカゴは投資に乏しいという課題に長年直面してきたが、画期的な4,000万ドルの助成金を受け、誇りと強さを象徴する青少年教育のゲームチェンジャーとなった。校舎はスポーツフィールド、屋外学習スペース、中学生とスタッフの一体感を促進する中央ノードが特徴的な5階建てで、垂直に伸びた建物は近隣の眺望と十分な自然光を提供する。カラフルな外観と二重のグラデーションのファサードは多様性を称え、同時にアクティブな雰囲気を醸し出している。

Photo credit: Angie McMonigal

Photo credit: Angie McMonigal

Photo credit: Angie McMonigal

設計をするにあたり、地域社会のニーズをよりよく理解するためチームはノース・シカゴの親子と面会するなど地域社会へ積極的に働きかけ、コミュニティ自体が認識されていないと感じていることが明らかになった。各階が時間の経過を表し、異なる学年を示す縦長にのびる学校というアイデアはこのことに着想している。つまり各学年が上がるにつれて、生徒たちはシカゴ市内でより高い眺望を得、ノース・シカゴとのつながりも強くなる。同時にこの学校はノース・シカゴで最も高い建物となり、地域社会の目印ともなる。

Photo credit: Angie McMonigal

Photo credit: Angie McMonigal

Photo credit: Angie McMonigal

本プロジェクトの課題は、既存の学校が開校している間に建物を設計・建設することだった。慎重な計画と調整を行い、学校の歴史と遺産を尊重するため体育館は保存された。デザインにおいて、古い構造の歴史的な側面を維持しながら将来のために現代的な要素を統合する必要性があった。保存と革新のバランスをとることが重要な課題であり、その結果、将来を見据えた教育環境を提供しながらも、過去を尊重した設計が実現した。

Photo credit: Angie McMonigal

Photo credit: Angie McMonigal

Photo credit: Angie McMonigal

この学校にはほとんどの生徒が徒歩で通学していることを考慮し、新しい施設を既存の建物に隣接して建設することを決定した。そうすることで新しい学校でも徒歩通学を促し、駐車場や車の利用を減らすことに成功している。

Photo credit: Angie McMonigal

Photo credit: Angie McMonigal

Photo credit: Angie McMonigal

敷地内にコミュニティ専用の空間を設け、つながりやアクセシビリティを促した。これには、ノース・シカゴ・コミュニティ・パートナー専用の部屋、ラーニング・ステア、ダイニング・コモンズなどが含まれる。さらに、屋外広場、レクリエーション・スポーツ・フィールド、学校と住宅地の間の緑地緩衝地帯もある。これらの施設は、コミュニティ活動のための貴重なスペースとなり、学校と周辺地域社会の絆を深めている。

JGMA

地域社会への積極的な参加と、空間や素材への気配りやダイナミックな構成を通して人々の生活を豊かにすることを目指す、先進的な建築・設計事務所。JGMAは、質の高いデザインが市民生活に影響を与え、コミュニティを変革するユニークな能力を持つことを理解している。