200㎡超のバルコニーが生み出す住空間の螺旋的展開
ポルトガル・ポルトに拠点を置く建築設計事務所OODAは海に近接するロケーションにおいて、その風景的特異性と構成上の独自性によって際立つ集合住宅「Miramar Tower」を発表した。本プロジェクトは、Pasteleira Parkの北側に位置するタワー建築群とスケール感を共有しつつも、設計コンセプトにおいて完全に異なるアプローチを採用している。
15階建ての垂直ヴォリュームは敷地の中央に配置されており、周辺建築との距離を最大化している。床面ごとに200㎡以上のバルコニー空間を確保するという明確な建築的野心のもと、スパイラル状に回転するように構成された各階のバルコニーが、彫刻的かつ視覚的な垂直性を際立たせている。構造的にはデンドリフォーム(樹状型)を採用しており、住宅タイプに応じた柔軟な構成が可能となっている。
- Photo credit: Fernando Guerra
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各住戸は周囲を囲むバルコニーと庭を備え、個別のアイデンティティを有している。水平スラブがバルコニー部でずれることによって建築に動態性が与えられ、視覚的にも「既視感」を回避する造形的操作が施されている。素材にはコンクリートを採用し、彫刻的演出を一貫して支えている。用途別に分節された内部空間と、外部と連続する共用部との間にある流動的関係は、使用者に例外的な空間体験をもたらす。1階には自然植栽が施されたアトリウムがあり、微気候を形成しながら周囲の自然環境と接続している。環境の吸収装置としてのタワーは、そのスケール感において力強く誇り高い佇まいを示している。
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OODA
OODA(Oporto Office for Design and Architecture)は、ポルトに拠点を置き、2024年で創立15年を迎えた建築設計事務所である。創設者であるディオゴ・ブリトとロドリゴ・ヴィラス・ボアスに加え、後にフランシスコ・ランカストレ、ジョアン・ジェズス、ジュリアン・ピント・レイテが合流。現在は60名以上のスタッフから成るスタジオへと成長している。同スタジオの設計哲学は、厳密な文脈観察と戦略的な設計思考、そして大胆な実行力に根ざしている。歴史的建築の再解釈から都市的な新規建築に至るまで、環境と社会的背景への応答を軸とした設計を一貫して追求している。伝統工芸と最先端技術の両方を積極的に取り入れながら、ローカルの卓越性をグローバルに発信する設計姿勢を貫いている。

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