自然に溶け込んだ産業建築とオフィスで労働環境・サステナビリティ・景観が調和
GEZA Architettura設計によるフルラの新本社はフィレンツェ県キャンティ地区に位置するタヴァルネル・ヴァル・ディ・ペーサにある。このプロジェクトではイタリアの景観に産業建築を融合させるというテーマで、ワークスペースの質を見直すきっかけとなった。建築と自然があらゆる方向から完璧に融合し、デザインとキャンティの景観が調和したユニークな要素を作り出している。
フルラのファクトリーの敷地面積は42,000平方メートル(建築面積は18,300平方メートル)で、3つのメインボリューム(オフィス、ラボ、ロジスティック)があり、コントラストが強すぎず周囲の景観に調和するよう、また建築と自然が機能的なバランスで共存できるよう設計されている。
土地の形態は車道、テラス、フルラ広場の3つの基本要素によって強調され、建物ボリュームの周囲に明確な領域を定義している。またパティオや緑の屋根が林を見下ろすように配置され、内と外の境界を越えて自然を取り込んでいる。メインエントランスはトスカーナの邸宅の玄関の原型となるもので、糸杉の列が訪問者を迎え入れる道となっている。
オフィスへの入り口は二層吹き抜けのレセプションと大ホールで、建築とランドスケープの境界が融合するポイントとなっている。インテリアはレイアウトが自由に変更出来るように設計され、整然と並ぶオフィスには緑のパティオ(リレーションシップスペース)が設けられている。
自然はその美しさだけでなく、建物の中に溶け込むと心地よい環境を作り出すという点でも重要な要素である。パティオ、グリーンカバー、自然光がより持続可能なワークプレイスに貢献し、人々はリラックスして自然を楽しむことができる。このプロジェクトではサステナビリティが重要な役割を担っており、グリーンエネルギーのベストプラクティスに準拠した設計が施されている。
GEZA Architetturaについて
1999年にステファノ・グリとピエーロ・ズッキによって設立されたGEZA Architetturaは、好奇心と情熱に導かれ、アイデア、美しさ、機能性の総合的な研究に焦点を当てたスタジオである。GEZAは、プロジェクトは時間の四季を通じて、環境(光と風景)の中の空間(建築)をデザインすることを意味する。というコンセプトのもと、新しい建築に取り組んでいる。