HASデザイン・アンド・リサーチが「フォレスト・ヴィラ」を完成

ADF05/27/2024≫ 建築≫ デザイン

「フォレスト・ヴィラ」

永遠性と精神性が共存する個性的な空間

HASデザイン・アンド・リサーチが中国・安徽省の合肥市郊外、大樹山国家森林公園の近くに位置する「フォレスト・ヴィラ」を完成しました。本プロジェクトはNPO青山デザインフォーラム（ADF）が提携するタイ建築家協会（ASA）の会員によるものです。

フォレスト・ヴィラはまるで地上のおとぎの国のような美しさのような自然の地形に建ち、永遠性と精神性が共存する個性的な空間となりました。Hung And Songkittipakdee (HAS)は、機能的な空間を改善するだけでなく、シェル、ホール、ヴォイドという3つの要素を通して敷地の特徴を高め、フォレスト・ヴィラでの非日常的な生活感を演出する新しいデザイン戦略を提案しました。

建物のファサードでは連続する眺望を縁取るためにシェルのシークエンスを用い、中国の伝統的な庭園のように内部と外部の関係を強め、豊かな光と影の効果を生み、室内空間の西日が入りすぎるのを遮ります。ホワイエでは多数に開けられた穴があいまいな感覚を生み出し、空間に自由で流れるような視覚効果を与え、重なり合う穴はまるで木々が重なり合う森のようで、調和のとれた鮮やかな雰囲気をもたらしています。リビングとダイニングのスペースでは、リズミカルな壁が2つのスペースを仲介すると同時に、人々の知覚と感情を高めています。

3階にもシェル、ホール、ヴォイドの法則を継続し、可動式パネルを有効に用いて空間に多様性と柔軟性を提示しています。午前中はフルオープンのパネルが自然光と季節風を通し、柔らかな生活感を与え、午後はセミオープンのパネルが太陽光を遮り、瞑想、ヨガ、太極拳のための空間を提供。夜は、クローズドパネルが読書、リラックス、星空との交流のための独立した空間を演出します。この多機能な空間は新しい生活体験をもたらし、忘れがたい感動を与え、心と身体と魂を刺激します。

地下のフロアでは上階の軽快な空間とは異なり、様々な厚い壁や穴を使い、岩窟のような自然な感覚を与えながら先進的で重みのない視覚体験を提供しています。連続する穴は、非日常的な精神性を感じさせるだけでなく、竹林をつなぐ壁の背後にある開放的な天窓の中庭を隠喩し、ラウンジホールに中国の山水画のような効果を生み出しています。

フォレスト・ヴィラは、自然への畏敬とアナロジーから着想を得ており、木立のように柱が連なりそれぞれの柱がランダムなテクスチャーとプロポーションを持ち、触感と視覚的な感覚を与えるなど、建築が森の自然に溶け込んでいます。ランドスケープもフォレスト・ヴィラの特徴で、それは1階の四季折々の森に現れるだけでなく、地下1階の開放的な天窓のある中庭や3階の植物園にも広がり、様々な昆虫や鳥に憩いの場を提供し、匂いや聴覚の感覚をもたらしているのです。

HASは持続可能で時代を超越した空間を創り出し、現代住宅に儀式と神秘の感覚を色濃く反映させた、スピリチュアルなシンボルとなっています。

: © Fangfang Tian

: © Fangfang Tian

HASデザイン・アンド・リサーチ

「デザイン＋リサーチ」の並行したアプローチを通して、アジアの建築言語を模索。自然と人工のアナロジーを強調し、「即興、MANufAcTURE、カメレオン建築」と名付けられた都市独自の派生物を通して、別の種類の新しい自然建築を探求している。HASの仕事は、文化的建造物、宗教建築、インスタレーション・アート、展覧会デザイン、実験的プロジェクトなどを網羅している。