山と海を結ぶ風景の中で
建築事務所OODAが手がけた「MALVEIRA DA SERRA」プロジェクトは、山と海の交差点に位置し、シントラ・カスカイス自然公園内に見事に調和させながら都市と農村の風景を滑らかに結びつけている。このエリアは石壁や山の中に佇むコテージが特徴的で、地域の歴史的・文化的な特徴を強調している。
この提案は自然環境に溶け込む2つの住宅から構成されており、風景に溶け込んでいる。住宅は突き出た高台に位置し、周囲の田園風景を一望できる。地形との結びつきは急勾配の岩場によって、確立され自然の状態をほぼそのまま残した岩の形成や、既存の植生が風景にも調和している。
自然資源の活用と景観との一体化
プロジェクトの主な要素の一つは土地の自然資源の活用であった。水平に張り出したスラブは庭園エリアを拡張し、内外の連続性を生み出している。この戦略は風景との視覚的なつながりを強化するだけでなく、各住宅が周囲の風景を遮ることなく楽しむことができる。外壁の垂直面には現地の石を使用したキクロペアンコンクリートを採用しており、景観に溶け込む素材としての役割や、その堅牢さだけでなく、新しい建物が場所に根付いているという印象を与え、既存の建物との間に調和を生み出している。
水平面には滑らかな純コンクリートを用いることで、垂直面のキクロペアンコンクリートとの対比を際立たせている。このコントラストによって、新たに追加された要素が地元の素材で作られた壁の上にそっと置かれたかのような、印象的な視覚的ダイナミズムを実現している。
環境との調和を追求した設計
太陽光の向きは自然光を最大限に活用し、エネルギー効率を高めるために慎重に検討された。また、芸術的要素を随所に取り入れることで、建築に自然と溶け込み、空間にアイデンティティと表現力を与えている。また、室内空間から風景への強い結びつきを確保するために、大きな開口部やオープンなレイアウトを採用し、自然環境を生活体験の一部としている。さらに、持続可能性と環境保護への取り組みとして、景観デザインには在来の広葉樹種による植林が含まれており、地域の生物多様性が向上し、新しい開発が既存の生態系と調和していることが保証されている。その結果、自然と建築が共存する、風景に溶け込む居住環境が実現した。
OODA
ポルトガルに拠点を置く建築事務所で建築設計、都市計画、インテリアデザインなどを手がける。彼らのデザインは、革新的で機能的な建築を目指し、自然環境と調和したデザインを行う。特にプロジェクトがある場所の文化や歴史に敬意を払い、それをデザインに反映させるアプローチが特徴。