建築と環境の関係をオープンに考える

パリのギャラリー・ド・アーキテクチャーにて開催される没入型展覧会の一環としてアトリエ・ピエール・ティボーによる「領土と風景」展が2023年4月15日から5月27日まで開催される。アトリエ・ピエール・ティボーが大空間と共生する20の建築プロジェクトを紹介し、ドローイング、模型、書籍、スケッチブック、オブジェが空間に自由に展示され、建築プロジェクト、風景、文化や自然の文脈の間に存在するさまざまな関係性を問う建築の星座を作り出す。

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The exhibition Territories and Landscapes by Atelier Pierre Thibault
Photo credit: Pierre-Ulric Gagné

オープンな創造的ワークショップを思わせるいくつかのテーブルで構成されたこの展覧会は、ケベック州の領土を文字通り、そして比喩的に歩き回り、それを構成する建築の姿や風景を発見するよう観客を誘うものである。

1988年の設立から今日まで、アトリエ・ピエール・ティボーが設計した儚いインスタレーションから野心的な施設プロジェクト、住宅プロジェクトまで、約20のプロジェクトが紹介されている。サン・ジャン・ド・マタにあるシトー会修道院を包み込む静寂、ベルヴェデール・ヴァル・ジャルベールを包み込む印象的な滝の轟音、セントローレンス川のほとりの儚くも力強い美しさとそこに息づく儚いインスタレーション、ケベックの森の鮮やかな緑などを来場者が体験できる機会を提供している。

アトリエ・ピエール・ティボー

1988年建築家ピエール・ティボーによって設立されたアトリエ・ピエール・ティボーは、季節が持つ独特の変化力を利用して、冬の雪上の強い光、晩夏の色の高揚、夏の暖かい日の柔らかさ、春の自然の爆発など、特異な瞬間を鋭くとらえた空間を創造。空間を体験するためにすべての感覚が呼び起こされ、それぞれのプロジェクトは風景とそこに住む人間との対話を生み出す特別な物語を生み出す機会となっている。アトリエ・ピエール・ティボーは、サンランベールのコレージュ・デュロシェの新パビリオンやモントリオールのコレージュ・サント・アンヌなどの大型プロジェクトを完成させている。

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The team of Atelier Pierre Thibault photographed at the Great Hall of the Reford Gardens completed in 2022
Photo credit: Atelier Pierre Thibault

また、明日の学校環境をデザインするために学際的な専門知識を結集することを目的とした非営利団体Lab-Écoleの創設メンバーおよび理事として、学習と教育の成功を促進するためにケベックの学校建築を再定義する大きなイニシアチブに数年間携わる。ピエール・ティボーは、ラヴァル大学建築学部の教授であり、マサチューセッツ工科大学(米国)、ナンシー建築学部(フランス)、ジュネーブ応用美術学校(スイス)など、複数の場所で客員教授としても活躍している。

展覧会「Territories and Landscapes」開催概要

会期2023年4月15日から5月27日まで
場所ギャルリ・ドゥ・アーキテクチャー
時間火 ~ 土曜日 /  11:00 ~ 19:00