デジタル時代にこそ歩きたい、街の記憶を巡る旅

東京・昭和建築さんぽ』が大洋図書から2025年11月7日(金)に発売された。「昭和の建物」を主役に、東京の街がどのように生まれ変化してきたかを解き明かす、新しい街歩きガイドとなっている。戦前・戦後、高度経済成長、そしてバブルと崩壊という激動の歴史を持つ昭和の建物には、そのすべてが記録されている。

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本書では庶民の知恵と建築家の哲学が交錯する街を紹介。関東大震災後の復興期、政府の不燃化推奨と庶民の知恵が結実し、高価な煉瓦の代わりに、木造家屋にモルタルや安価な銅板を葺き、建物の正面を「看板」のように見立てた「看板建築」には庶民の文化が刻まれている。一方、公共建築やハイエンドな建物では、歴史主義から装飾を排したモダニズム建築へと潮流が変わる。さらに高度経済成長期には、ニュー新橋ビルに代表される全ガラス張りの「カーテンウォール」が登場し、建築の未来を表現したが、その流れに反発した磯崎新のようなポストモダニズムの建築家も現れ、街は哲学の場となった。

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単なる建物の紹介ではなく、その建築のコンセプトやポリシー、そして当時の人々の生き方を伝える本書がアナログな建築探求の旅へといざなう。

『東京・昭和建築さんぽ』書籍概要

発売日2025年11月7日(金)
定価2,090円(税込)
仕様A5判、総160頁
URLhttps://tinyurl.com/694zm5rv