自然と調和する竹造の料理教室
タイ・チェンマイ郊外の自然に囲まれた「Zabb e Lee Cooking School」は、世界中の訪問者に本格的なタイ料理を教える料理学校である。その魅力的な雰囲気を補完するため、地元で調達した竹を使用した教室の設計・施工を、建築事務所Chiangmai Life Architectsが手がけた。竹の美しさと機能性、そして写真映えするデザインは多くの来訪者の支持を集めている。
3棟目となる竹造パビリオン「The Bull」は、敷地の端にある大きな木と小さな池の間という限られたスペースに建てられた。デッドエンドとなる立地の魅力を引き出しながら、10の調理準備ステーション、10の調理ステーション、大型ダイニングテーブルを備えるために、建築家たちはU字型の構造を採用。建物の正面は敷地全体から視認でき、背面には隣接する田園風景が広がるように設計されている。
創造力を膨らませた結果、上向きの角を持つ雄牛の頭部のようなフォルムが浮かび上がり、3つの機能(準備・調理・食事)をそれぞれ担う3つのドーム状スペースが中央の通路でつながる構成となった。アーチ型に交差する竹束が空間を支え、外観からは想像できない広がりのある内部空間を生み出している。
竹の自然な色味と流れるような曲線は温もりと調和のとれた空間を形成し、夕方には照明がその魅力をさらに際立たせる。また、成長過程で二酸化炭素を吸収する竹を建材に用いることで、本建築はカーボンフットプリントが実質ゼロ、あるいはマイナスとなる。
Chiangmai Life Architects
Chiangmai Life Architectsは機能性・持続可能性・笑顔の3つを柱とする建築哲学を掲げる建築事務所。現代的な構造技術と自然素材(竹や土)を融合させた有機的で美しいデザインが特徴。人と建築、人と自然の間に温かなつながりを生む空間づくりを重視しており、その建築は人々の心に「笑顔」を生み出すことを目指している。

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