ジャン・プルーヴェによるヴィンテージ家具から建築建材、そして幻のアンリ・プルーヴェ作品まで
伊勢丹新宿店は、フランスの建築家、デザイナーとして、建築生産の工業化に大きな役割を果たしたと言われるジャン・プルーヴェ氏の作品展「THE WORKS OF JEAN PROUVÉ」を2022年8月25日(木)から9月12日(月)まで開催する。世界中の家具を収集する「ATELIER-GALLARY」協力のもと、世界中にコレクターがいるプルーヴェコレクションより、家具や照明器具、建築建材など約25点を展示販売する。また、ジャン・プルーヴェのオリジナル作品のみではなく、多くのプロジェクトで協業していたシャルロット・ペリアンやピーエル・ジャンヌレのマスターピース、さらにジャン・プルーヴェの弟であったアンリ・プルーヴェの作品1点なども合わせて紹介し、ヴィンテージのオリジナル作品を通じてプルーヴェ作品の魅力とその多様性をたどることのできる作品展となる。
ジャン・プルーヴェが亡くなって40年近くの年月を経て、こうした作品を日本で見ることができるのは、モダンデザインや建築の業界、ギャラリーをはじめとした先人たちがジャン・プルーヴェの名を広めて守りながら継承してきた成果でもある。伊勢丹新宿店は、市場で実物に触れることができないような作品を気軽に見れる機会の提供を目指す。
JEAN PROUVÉ / ジャン・プルーヴェ プロフィール
「私は建築家でもなく、エンジニアでもない、工員なのだ」。ジャン・プルーヴェ(1901-1984)が自らのことを称した言葉としてよく知られているが、言葉の通り、プルーヴェは資格としては建築家でもエンジニアでもなく、ただの工員であった。エコール・ド・ナンシーの芸術家の父とピアニストの母の間に生まれたプルーヴェは、ナンシーで育ち、10代の頃から金工職人として修行を始め、1923年に最初の工房を立ち上げ、鋳鉄製品をつくり始めた。やがて、同じ時代のもっとも先進的な建築家たちと出会い、そしてスチールやアルミニウムといった新しい素材や従来とは異なる製造技法の開発を重ね、自らがモダニズムを牽引するようになる。もともと大衆向けにデザインされたプルーヴェの作品は、半世紀以上経った今なお、独創的な美しさで魅了し続けている。