生成AIの現状と期待や懸念点について回答

デザイン事務所AMIXが運営するASOBOADはデザイナーとアートディレクター120名を対象に、画像生成AIとロゴデザインについて意識調査(アンケート)を実施した。この調査はクラウドソーシングサイト「ランサーズ」を通じて行っており、デザイン業の従事者がAIをどのように捉え、活用しているか(活用していないか)を調査するもの。今回は特にロゴデザインにおけるAIの役割と将来的な期待・懸念に焦点を当てた。adf-web-magazine-attitude-survey-ai-logo-design-1

調査対象

  • 対象期間:2024年1月23日から1月29日まで
  • 対象件数:120件
  • 対象職種:デザイナー・アートディレクター
質問1 - どのような画像生成AIを使用したことがありますか?(複数選択可)
  • 使用したことはない … 41.7%
  • DALL·E(ChatGPT)… 20.1%
  • Stable Diffusion … 12.2%
  • Midjourney … 9.4%
  • Text to Image(Canva)… 9.4%
  • Adobe Firefly … 7.2%
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出典:ASOBOAD (https://asobo-design.com/nex/)

質問2 - 画像生成AIを "ロゴデザインに" 使用したことがありますか?
  • 使用する予定はない … 15.8%
  • 使用したことはないが興味はある … 44.2%
  • 実務では使用したことはないが、生成AIを使ってみたことはある … 36.7%
  • 実務で使用したことがある … 3.3%
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出典:ASOBOAD (https://asobo-design.com/nex/)

質問3 - "画像生成AIをロゴデザインに利用すること"に対してどのような意見を持っていますか?
  • 非常にポジティブ … 18.3%
  • ややポジティブ … 40.0%
  • 中立 … 26.7%
  • ややネガティブ … 12.5%
  • 非常にネガティブ … 2.5%
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出典:ASOBOAD (https://asobo-design.com/nex/)

質問4 - "ロゴデザインにおける画像生成AIの利用目的"はどのようなものが考えられますか?(複数選択可)
  • アイデア出し … 37.8%
  • デザインの試作品作成 … 25.8%
  • デザインプロセスの効率化 … 16.4%
  • コスト削減 … 16.4%
  • 最終デザインの作成 … 3.6%
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出典:ASOBOAD (https://asobo-design.com/nex/)

質問5 - "画像生成AIを活用したロゴ制作" に対する将来的な期待はどうですか?
  • 非常に高い … 20.8%
  • どちらかといえば高い … 41.7%
  • 中立 … 31.7%
  • どちらかといえば低い … 5.0%
  • 非常に低い … 0.8%
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出典:ASOBOAD (https://asobo-design.com/nex/)

画像生成AIへの期待や懸念 - アンケート回答より抜粋 -adf-web-magazine-attitude-survey-ai-logo-design-7

  • 法整備の話が必ず後手に回ってくるので問題ないラインの線引きについて常に不安に思う。
  • 自分一人だとどうしてもパターンや傾向が偏ってしまうため、新しいアイデアを得るために使うのは良いと思うが、このまま進化していくと指示を出すのがうまい人しか必要なくなるのが不安。
  • 利便性の面を見れば魅力がある。しかし模倣的なもので終わってしまい、人間が独自で作る熱意のこもった良き新作が生まれなくなる気もする。少なくとも普及による弊害があると懸念できる。
  • 抽象化や記号化を多用するロゴデザインの分野は画像生成AIが得意とするところであるのではという印象。また、クライアント側として提出されたデザインにAIによって作成されたものが混じっていたとしても気付ける自信はない。
  • まだまだ世間への浸透や受け入れの度合いの低さや法整備、個々の価値観、線引きのライン等も曖昧な状況。様子を見ながらかつ有効に利用していきたい。
  • 個人の知恵を絞って作り出された作品に対しては、それ自体にお金が支払われるべき。生成AIがいけないのではなく、無法で何でもフリー素材扱いのようになってしまっているのが問題なのだと思う。
  • デザインの類似や専門性の欠如などが考えられるので良いとは考えられない。
  • ロゴデザインを見ていると生成AIのパターンがわかってきてしまうため、目新しさや斬新なアイディアを感じることができない。
  • 著作権に関してはとても不安。生成された案のどの部分が他の作品と類似しているか、著作物として問題あるかどうか自分自身では判断できないことが多い。