自然と調和した空間デザインが生み出す、癒しと静寂の住まい
建築事務所LOCUS architecture + desig設計によるカナダ・ケベック州サント=アンヌ=デ=ラックスのローレンシャン地方に位置する「Between Lake and Forest」。この住宅は、忙しい都市生活から解放され、自然の中で静かな時間を過ごすことを求めた施主のために設計された。湖と森に囲まれた高台に建つこの住まいは、周囲の環境と調和しながら、住む人々に深い安らぎを提供している。
森の高台に立つ現代建築
敷地はモントリオールの北約65キロに位置する4エーカーの森林地帯。岩場の高台に建てられた建物は、広さ約3,600平方フィートの住宅で、敷地の中でも最も高い位置から周囲の自然を見渡す。ダークトーンの上部構造と露出したコンクリートの基壇が特徴的で、堂々としたエントランスポータル、大きな窓、そして湖と木々へ向かって突き出したリビングルームとライブラリーのガラス張りのプロジェクションが目を引く。湖側の建物外周から構造要素を取り除くことで、建物の輪郭が軽やかになり、自然との一体感が高められている。特にリビングルームの窓は、天井より上、床下まで広がり、垂直のフレームやマリオンを排除した設計が採用されている。室内と屋外の境界を曖昧にするこの手法が、建物全体に一貫したデザインの意図を反映している。
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Yousef Farasat
- Photo credit: Yousef Farasat
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Maxime Brouillet
空間を分けるエントランスポータル
建物中央を貫くエントランスポータルと内部階段が、生活空間と寝室エリアを明確に分けている。この中間的な空間は、住居のメインエントランスを象徴する場でもある。訪問者は大きなコンクリートの階段を上り、10フィート四方のガラス開口から最初に湖の景色を望む。その後、左右から天井まで全面ガラス張りのリビングエリアに迎えられ、まるで森の中に浮かんでいるような感覚を味わうことができる。天井は淡いパイン材で仕上げられ、高さ10フィート。リビングエリアから続く広い廊下が、メイン階段、3つの寝室、2つのバスルーム、1つのパウダールームへと繋がっている。廊下の終点には、昼の光を浴びるよう木々の間に張り出したライブラリーがある。
- Photo credit: Yousef Farasat
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Yousef Farasat
自然と調和したデザイン
オープンライザー階段とガラスの手すりで構成された階段が地下階へと繋がる。ダブルハイトのガラスポータルから光が降り注ぎ、湖の景色が常に視界に入る設計が施されている。地下にはゲスト用の4つ目の寝室とバスルーム、暖炉付きのファミリールーム、屋外スパエリアへのアクセス、ガレージ、サービススペースが配置されている。設計段階から建設に至るまで、建物周辺の自然環境を最大限保護することが優先された。敷地内に存在する湿地帯や野生動物の移動ルートを考慮し、敷地の地形や水辺の規制、森林密度を巧みに調整しながら建物が配置された。
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Christopher Malouf
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Christopher Malouf
- Photo credit: Thomas Evans
- Photo credit: Maxime Brouillet
- Photo credit: Thomas Evans
- Photo credit: Christopher Malouf
- Photo credit: Maxime Brouillet
LOCUS architecture + design
2019年にトーマス・エヴァンスとユセフ・ファラサトによってモントリオールに設立された建築スタジオ。住宅や商業プロジェクト、新築だけでなく既存建物の改修も手掛けている。また、モントリオールでは複合用途の建築プロジェクトにも取り組んでいる。同スタジオは、クライアントとの長期的な関係構築と、建築家が意図した体験とクライアントが実際に感じる体験を調和させることに注力している。プロジェクトは論理と感情の絶え間ない対話を基盤とし、社会的、環境的、経済的な文脈を重視した空間を創出することを目指している。