テクノロジーと審美性が融合したペンダント照明「P1M」がオフィスビルロビーに心地よい光を届ける

ロサンゼルスにあるワットプラザビルのロビーがリノベーションされ、6倍の広さに拡張された新ロビーには大きな窓から中庭が眺望でき、バーカウンターやミーティングスペース、大ぶりなソファなど、ゆったりとくつろげるスペースが広がっている。中でもひと際存在感を放っているのが、照明デザインスタジオArchilumeのペンダント照明「P1M」350個で構成された巨大なシャンデリア照明である。

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Archilume's P1M at Watt Plaza Lobby, Photo credit: Bruce Damonte

Archilumeを代表する商品「P1M」は、技術と審美性が融合した革新的なペンダント照明である。2013年の創立以来Archilumeは、省エネ設計のチップオンボードLED技術をいち早く採用するなど、先進的な照明技術を駆使してグレアフリーの装飾照明の進化に貢献し続けてきた。そして「P1M」では、装飾LED照明に全反射光学を採用することで、更にその技術革新を推し進めた。デザインの面では、単体でうっすらとした光を表現したり、複数をまとめてシャンデリアのような豪華な光を演出することもできる特徴がある。今回のワットプラザロビーへの採用では、P1Mが持つ魅力が最大限に引き出されている。

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Archilume's P1M at Watt Plaza Lobby, Photo credit: Bruce Damonte

ライティングのスペシャリスト集団Banks Landl Lighting Designにより、15×19mの大きさの天井用に照明テンプレートが作成された。全ての照明が、計算された位置に計算された長さで吊り下げられた。これにより、シンプルな照明パーツがランダムに配置されながらも、全体の統一感を維持し、なおかつ効率的な照明としての機能も果たす、絶妙なデザインが完成したのである。

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Archilume's P1M (black), Photo credit: Archilume

キャンドルを逆さにしたようなデザインのP1Mは、下から光源が見えない設計となっており、純真な好奇心をかきたてる。洗練されたミニマリズムを意識したデザインの照明は、光源を隠すことで直接照らすのではなく、柔らかで上品な光で周囲を包み込む。

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Archilume's P1M at Watt Plaza Lobby, Photo credit: Bruce Damonte

1980年代に、建築家ジン・ウォンによってデザインされたワットビルのロビーは、23階建ての2つのタワーの間に位置する。17,000㎡の大きさにリノベーションされたロビーは、従来の6倍の広さで、ビルのテナントやゲストが落ち着いてくつろげる明るいスペースへと変身した。ワットプラザはLEEDのプラチナ認証を獲得したカリフォルニア センチュリーシティで初の高層ビルだった。この功績により得たグリーンビルディングとしての地位を維持するためにも、省エネ設計の照明の設置は必要不可欠な要素だった。P1Mを採用することで、低いワット数で出力を抑えた照明の集合体を構築することが可能となり、周囲も充分に照らせるだけの光を空間にもたらすことができている。これは、カリフォルニア州のエネルギー効率基準(Title 24 Code)を満たし、LEED認証取得にも繋がっている。ワットプラザのロビーは、IIDA SC Calibre Awardの最優秀公共スペース(2021年)と、ENR California Awardの最優秀リノベーションプロジェクト(2021年)に選ばれている。

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Archilume's P1M at Watt Plaza Lobby, Photo credit: Bruce Damonte

Archilumeについて

Archilumeは、産業デザイナーのSaleem Khattakにより2013年に設立された照明デザインスタジオ。高度な技術を駆使した機能性に優れた装飾照明を手掛けており、そこにクリエイティビティと先進性のあるデザインを付加している。カウンターやバースペースの照明から、ホテルロビーや玄関、ラウンジ、ダイニングエリアのシャンデリアなど、多様な用途に対応するデザインとラインナップを用意している。デザインと生産はバンクーバーで行い、商品の品質を保ちながら、地域経済の活性化にも貢献している。さらに、ローカルの生産拠点を最大限に活用し、エネルギー効率に優れた商品を生産することで、カーボンフットプリントの削減を目指している。


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