歴史的劇場テアトロジェロラモで家具と空間の関係性を探る体験型展示

DAFT about DRAFTは、サイトスペシフィックインスタレーション「LAST SAMPLE」をミラノデザインウィーク2026にて発表した。会場はミラノ中心部に位置する歴史的劇場テアトロジェロラモで、2026年4月20日から4月26日まで一般公開される。本プロジェクトでは、建築家山下泰樹が手がけた「No.15チェア」を紹介する。DAFT about DRAFTは2022年に東京で設立されたブランドである。建築や都市デザインの中で培われた空間的な発想を、日常生活のための家具やオブジェへと翻訳する。家具を衣服のように直感的に選び、日常の中で共に暮らすものとして捉えることで、自由で個人的な空間の在り方を提案する。adf-web-magazine-draft-about-draft-4

ブランドのアプローチは「調和」と「自由」を軸とする。各プロダクトは空間に過度な主張をせず自然に溶け込み、身体や使用シーン、環境との関係性の中で構想される。プロポーション、構造、快適性に細やかな配慮がなされている。本展の中心となる「No.15チェア」は、構造的な明快さと快適性のバランスを追求するプロセスから生まれた。日常環境に自然に溶け込みながら、生活の中で重要な役割を担う存在として設計されている。単なる機能的要素にとどまらず、日常を支える存在として位置づけられる。adf-web-magazine-draft-about-draft-1

インスタレーションは、歴史ある劇場空間を家具と空間に対する新たな視点を促す体験型の環境へと変容させる。コンセプトは、デザイナー自身の個人的な体験、愛犬JACOの視点から椅子を見つめた瞬間に端を発している。この視点の転換が、身体・オブジェ・環境の関係性を探る空間的ナラティブの出発点となる。本展は静的な展示ではなく、体験のプロセスとして構成される。来場者は空間を巡りながら細部を観察し、一つのオブジェクトが時間をかけて発展していく過程を体感する。「LAST SAMPLE」は、デザインが検証と洗練を経て完成へと至る瞬間を示す概念である。展示では、リサーチ資料、スケッチ、プロトタイプ、最終モデルに至るまでの過程が段階的に提示される。一脚の椅子が完成に至るまでの試行錯誤と検証のプロセスを明らかにする構成となっている。adf-web-magazine-draft-about-draft-3

歴史的劇場という親密なスケールの空間を舞台に、現代デザインと文化的記憶との対話が生まれる。本インスタレーションを通じて、家具が建築、オブジェ、人間の体験をどのように結びつけるのかを探求する。adf-web-magazine-draft-about-draft-2

DAFT about DRAFT

建築家・デザイナー山下泰樹が、様々なプロジェクトの中で少しずつ書き留めてきたデザインから生まれたブランド。同調・同質化されてきた暮らしに対し、より自分らしく、服を選ぶように自由な暮らしを提案することを志向する。固定概念にとらわれない自由でユーモアのあるデザインを目指し、その遊び心をプロダクトを通して表現している。

山下泰樹 プロフィール

建築家・デザイナー。DRAFT創業者・代表。山下泰樹建築デザイン研究所主宰。2008年にDRAFTを設立。インテリア・建築デザインを中心に、都市から家具まで幅広い領域で活動する。「空間は人を中心にデザインされるべき」という思想のもと、都市・建築・空間の再定義と再設計を継続している。DRAFTにおける多くのプロジェクトを指揮し、100名を超えるデザイナーとともに設計を行う。近年はミカン下北やOCA TOKYOなどを手がける。また、自身のプロジェクトから派生したプロダクトブランド「DAFT about DRAFT」を2022年にローンチ。翌年にはミラノサローネに初出展し、注目を集める。Best of Year Awards最優秀アワード(2018)、SBID International Design Awards アジア最優秀アワード(2023)、日経ニューオフィスアワード経済産業大臣アワード(2023)など受賞多数。国際的にも評価を得ている。

「LAST SAMPLE」開催概要

会期2026年4月20日から4月26日まで
時間10:00〜19:00
会場Teatro Gerolamo
URLhttps://daft-about-draft.com/