大胆な幾何学模様と洗練されたディテール

どの角度から見ても魅力的で温かみのあるフォルムが特徴のアームチェア「Joli」は、スウェーデンのノート(デザインスタジオ)が歴史あるフリウリ人のブランドジリオA & Cのためにデザインしたもので、背もたれをみると「Joli」の個性が一層際立っていることが分かる。

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Close-up of plush backrest of Joli armchair
Photo credit: ph ©Zilio A & C

「ダイニングや会議室用にデザインされた『Joli』は、おもてなしの場にもシームレスに溶け込み、チェアが置かれたテーブルに近づくと、背もたれがひときわ目を引きます。私たちはここからデザインプロセスをスタートさせ、ジリオA & Cの職人と密接に協力しながら、「Joli」の個性をはっきりと形にしました」とノートのチームは説明している。

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Joli armchair in natural beech finish in a dining room setting (detail)
Photo credit: ph. Paolo Riolzi

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Joli armchair in natural beech finish in a dining room setting
Photo credit: ph. Paolo Riolzi

このアームチェアの特徴はふっくらとボリュームのある背もたれの形状で、天然木やウェンゲ染色をしたブナ材のフレームと調和している。フレームはシンプルさと耐久性を兼ね備えている。ジリオA & Cの卓越した職人技により、細部に至るまで温かみと寛大さが感じられる。

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Photo credit: ph. Paolo Riolzi

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Photo credit: ph. Paolo Riolzi

「以前キャンディッドスツールやアルカドプーフシステムをデザインしてくれたノートチームとの仕事は、常に刺激的です。前作同様、『Joli』はデザインの純粋さと繊細で深遠な感情を呼び起こす力を体現しており、私たちのミニマルなアプローチと素材の美しさへの細心の注意と共鳴しています」と、ジリオA & CのCEOカルロ・ジリオは語る。

住宅と商業スペースの架け橋となる「Joli」は、世界的なデザイナーとのコラボレーションを実現するジリオの才覚を再確認させる象徴とも言える。1951年にウディネのマンツァーノ・チェアー地区の近くで創業し、現在はカルロ・ジリオの3代目のリーダーシップのもと、想像力をかき立てる革新的なデザインと根強いクラフトマンシップを巧みに融合させている。

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Close-up of plush backrest of Joli armchair in natural beech finish
Photo credit: ph ©Zilio A & C

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Photo credit: ph ©Zilio A & C

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Photo credit: ph ©Zilio A & C

ジリオA & C

マンザノ・チェア地区の歴史的存在として70年以上にわたって椅子や家庭用家具を製造。父から子へと専門技術が受け継がれるこの精神は、上質な木材、伝統的な職人技、現代的な技術、そして世界に通用する本物の技術との間に、繊細な相乗効果を育んでいる。洗練されたミニマルなスタイル、厳選された素材の洗練されたパレット、そしてデザインと施工の細部に至る細心の注意を欠かさないクラフトマンシップは、ジリオA & Cの特徴を際立たせている。住宅や契約スペースのための家具やアクセサリーは時を経てもその価値と美しさを保ち続けている。

ノート(デザインスタジオ)

2008年にストックホルムで設立されグローバルに活動するノート(デザインスタジオ)は、強い集団精神を持つ前向きなデザイン事務所である。建築、インテリア、プロダクトデザインから、戦略、グラフィック、アートディレクションまで、様々な分野にまたがるこのスタジオは、関わる空間やコンテクストと同様に多面的で、各プロジェクトはクライアントとの対話による高度なカスタマイズと作品の完全性への深いコミットメントを特徴としている。ノート(デザインスタジオ)は、その豊富な経験と新しい可能性に開かれたクリエイティブなマインドを融合させ、どのようなプロジェクトやクリエイションにおいても五感を刺激し、本物の感情を呼び起こし、意味のある豊かな対話を育むことを大切にしている。