https://vimeo.com/502746297

プラスチックをプロテインへと変貌させる画期的なスーツ

建築家のPavels Leipinsによって開発された「Inxect Suits」は、有害なプラスチック混合材を、少ない二酸化炭素排出量で、食べることのできるプロテインへと変化させる再生ユニットを内蔵した、ウェアラブルデバイスである。本プロジェクトは、デンマーク ロイヤルアカデミーの2020-2021年「超常環境における建築プログラム」の修士論文でLeipinsが取組んだものである。

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Using static body movement to generate heat for the mealworm habitat. Photo credit: Jacky Han

プラスチックを食べる昆虫「ミールワーム」

ゴミムシダマシ科の幼虫であるミールワームは、最も少ない二酸化炭素排出量で最も豊富なプロテインを提供する食用の昆虫である。一般的には飼育動物の生餌として知られていたミールワームだが、2015年、発泡スチロールを食べて分解する能力があることが、スタンフォード大学の研究者チームによって発見された。発泡スチロールはミールワームの腸内微生物によって堆肥と二酸化炭素に分解される。そしてミールワームは、有毒な化学添加物を体内に蓄積することなく排出し、他の動物用の安全なタンパク源となることがわかっている。ミールワームは、堆肥、もしくは食用としての価値があり、生分解性バイオプラスチックの原料ともなる。

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Mealworm colony eating polystyrene. Photo credit: Jacob Schill

プロテイン消費への挑戦

フードセキュリティと海洋プラスチックの問題への取組みとして、Leipinsは、プロテイン消費者がプロテインの活性剤ともなるような仕組みのデザインを、比較的小さなスケールのエコシステムで提案した。人間と昆虫との間でエネルギーの交換がなされることで、食糧汚染と自然との不均衡な関係性の根底にあるものとはなにかを問いかけている。

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A protein rich pasta dish made out of the harmless (plastic eating) mealworms. Photo credit: Pavels Liepins

人力エネルギー発生装置

Inxect Suitは、人間の活動によって発生する熱や湿気を、胸部に取り付けられたアタッチメント内の生態環境の構築に利用している。ドーム型のアタッチメントは、ミールワームが生息し、プラスチックを食べて排出するテラリウムとなっている。テラリウム内の生態環境は、センサーで常に監視・記録されており、ユーザーに見えるようになっている。Inxect Suitは、廃棄プラスティックをプロテインに変身させる管理システムを搭載した、モバイルスーツなのである。

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Drawings on the inxect suit. Photo credit: Pavels Liepins

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Diagram showing the function of the inxect suit. Photo credit: Pavels Liepins

海洋プラスチック問題、フードセキュリティ、そしてフェロー諸島の経済

デンマークの一部であるフェロー諸島は、その経済のほとんどを漁業に頼っている。2050年には、地球の海洋の魚を、重量においてプラスチックが上回ると言われており、フェロー諸島にとっては特に深刻な問題であり、解決に向けた取り組みが急務である。この現状を受け、Leipinsはフードセキュリティと海洋プラスチック問題の両方に働きかけるソリューションを提案した。ミールワームと人間の活動が作るエコシステムを利用した新たなスーツは、この複雑な問題のひとつの解決策となるだろう。

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Ready to operate in areas with airborne pathogens, Photo credit: Jacky Han

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Integrating the concept in daily life. Photo credit: Jacky Han

Inxectsについて

Inxectsは、建築家Pavels Liepinsが設立したデザイン研究所。地球が直面する現在と未来の問題に考えを巡らせ、再生設計のコンセプトでデザインする。建築、科学、身体文化、アート、デザインなど多分野にまたがった総括的なオペレーションを行っている。


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