素材とシステムが導く再生の美学
Common Object Studioは形や機能にとらわれないデザインの可能性を模索している。プロジェクトの初期段階から、システム、素材、そして意図を重視し、ユーザー中心から惑星中心へと視点を広げる。地球の一部としての自覚を持ち、ものの存在が生態系にどう関わるか、物理的・感情的・社会的にどう変容するかを問いながら、持続可能性を超えた「再生」へと踏み出している。
自然と人間工学に導かれたやわらかなフォルムと素材への敬意を融合させる同スタジオの美学は、不完全さや有機的な質感を肯定する。機能性と遊び心の両立により、プロダクトに対する好奇心と愛着を育む。生分解性の家具やアップサイクル素材を用いたインスタレーションなど、素材とプロセスがかたちを決定づけるデザインを展開している。プロダクトは単に今を満たす機能にとどまらず、時間とともに変化・適応し、使い続けられることを前提としている。また、修理や再利用を前提にした構造、循環型設計を重視し、「Strata」や「OkaTerra」などのプロジェクトでは、廃棄オフィス家具や地域資源を活用して、再生と商業性の両立を実現している。
素材への探究心
農業廃棄物の再生ウール、都市で伐採された倒木、バイオ樹脂や麻繊維など、未利用資源に新たな価値を与え、完全生分解を実現する高性能素材へと転換している。創造とは、素材の既成概念を打ち破り、循環を完結させるプロセスであるという思想が根底にある。持続可能性を静的な目標ではなく、常に変化し続ける探究として捉え、Declare LabelやList Freeといった国際認証の取得を通じて、業界の基準にも挑戦している。また、人との関わりを再生の重要な要素とし、農家や職人、地域メーカーとの協働や、共創型のワークショップを実施しながら、倫理的労働と知識の共有を推進している。
寿命を設計し、必要に応じて生分解や回収・再資源化を可能にすることも、重要なテーマとなっている。Common Object Studioは再生をデザインの未来と位置づけ、癒し・回復・共有をキーワードに、プロダクトを通してエコロジーと社会に貢献する道を模索している。現状を問い直し、美しさと倫理、素材と技術の融合を通じて、持続可能性を超える新たな価値を提示している。
プロジェクト例
「Strata」:廃棄されたオフィス家具を回収し、キルト状の張り地で再生。バイオフォームと再生素材を使用し、分解・修理を前提とした設計で多様なフレームに対応。
「Nodo Stool」:木粉とトウモロコシ由来の3Dプリント素材を用いた構造体に、Kvadratの廃棄ウールを充填したチューブ状クッションを有機的に編み込む。
「Numero」:スツールとテーブルを兼ねた多機能プロダクト。倒木材と再生ウールによる構成で、Declare Labelを取得。
「Haworth Understory」:廃ウール、柳、麻、回収木材などを使った生分解性スツールと間仕切り。ミネラル顔料で自然なグラデーションを演出。
「Terra Lounge」:OkaTerraとMirumの協働によるラウンジチェア。廃ウール、麻、植物性レザーを使用し、構造は倒木材を精密加工。修理可能な構造と高い快適性を両立。
Common Object Studio
プロダクトデザインを中心に素材・プロセス・社会的インパクトまで包括的に設計するデザインスタジオ。複雑な課題に向き合いながら、共創と明快さを通じて、より良い未来のための「共通のオブジェクト」を提案している。

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