ACT Vol.2 「停滞フィールド」展概要

東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団では、Tokyo Tokyo Festivalの一環として2018年より開始したTOKAS(トーキョーアーツアンドスペース) Projectは、国際的な交流を促進し、多文化的な視点を通じ、アートや社会など、様々なテーマについて思考するプログラム。今回で第2回目の開催となるTOKAS Projectでは、TOKASのプログラムに参加経験のあるアーティストを中心に、今注目すべき活動を行っているアーティストの企画展「ACT Vol.2『停滞フィールド』」を2020年2月22日(土)から3月22日(日)まで開催する。

本展では、田中秀介、広瀬菜々および永谷一馬、渡辺豪のアーティストが、それぞれの観点から時間を停止したり、遅らせて凝視できる状態にし、その停滞によって生じる差異やズレ、歪みを積極的に受け入れた作品を展示する。あらゆる事象が高速化し、そして処理されていく現代社会において、各アーティストの「停滞フィールド」という作品を通じて空間および認識を変容させることを試みる。

adf-web-magazine-artists-contemporary-tokas-vol2-1-tanaka

adf-web-magazine-artists-contemporary-tokas-vol2-2

adf-web-magazine-artists-contemporary-tokas-vol2-3

本展の「停滞フィールド」とは、SF小説やゲームなどで使用される言葉であり、時間が停止しているか、または極度に遅延されて物体が停止しているようにみえる領域を意味する。「停滞フィールド」にある物質は、時間が止まり、結晶化することで凝視できる状態になる、あるいは遅延することによって歪みが生じる。この特殊な場所での体験は、既存の考えや従来の感覚を変容させる転機となるかも知れないということからタイトルに選ばれた。

参加アーティストプロフィール

田中秀介 / TANAKA Shusuke

1986年和歌山県生まれ。大阪府を拠点に活動。2009年大阪芸術大学美術学科油画コース卒業。主な展覧会に「忘れようとしても思い出せない」(ボーダレス・アートミュージアムNO-MA、滋賀、2019)、「清須市はるひ絵画トリエンナーレアーティストシリーズ Vol.87田中秀介展 ~カウンターライフ~」(清須市はるひ美術館、愛知、2018)、「アーカイブをアーカイブする」(みずのき美術館、京都、2018) 、「ふて寝に晴天、平常の炸裂。」(Gallery PARC、京都、2017)、「アンキャッチャブル・ストーリー」(瑞雲庵、京都、2017)、「TWS-Emerging 2016『円転の節』」(TWS渋谷、東京)、「トーキョーワンダーウォール 2016 入選作品展」(TWS渋谷、東京)、「FACE 2015 損保ジャパン日本興亜美術賞展」(損保ジャパン日本興亜美術館、東京)など。主な受賞や助成歴にはるひ絵画トリエンナーレ準大賞受賞(2018)、「第24回ホルベイン ・スカラシップ」(2011)など。今後の展示予定に「なつやすみの美術館 10:feat. 田中秀介(仮)」(和歌山県立近代美術館、2020)がある。

広瀬菜々 & 永谷一馬 HIROSE Nana & NAGATANI Kazuma

1980年(広瀬)、1982年(永谷)大阪府生まれ。ドイツを拠点に活動。2014年ブレーメン芸術大学美術学部マイスターシューラー課程修了。2005年京都精華大学大学院芸術研究科博士前期課程修了(広瀬)。2004年京都精華大学芸術学部造形学科陶芸分野卒業(永谷)。
主な展覧会に「Out of the Ordinary」(ウルム芸術財団、ドイツ、2019)、「Why don’t cats wear shoes?」(クンストラーハウス・ゲッティンゲン、ドイツ、2019)、「Why don’t cats wear shoes?」(クンストフェライン・クックスハーフェン、ドイツ、2019)、「Another Place」Anna Bartとの対話展 (国際交流基金ケルン、ドイツ、2018)、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(新潟、2018)、「Still Life」(ヨハン・フリードリヒ・ダナイル美術館、ザルツヴェーデル、ドイツ、2017)、「Of the Universe」(ヴェーザーブルク現代美術館、ブレーメン、ドイツ、2014)など。主な受賞や助成歴にベルギッシュ・アートアワード観客賞(ゾーリンゲン美術館、ドイツ、2017)、ポーラ美術振興財団在外研修(ドイツ、2015)、エアスターフェルクリンガー・アートアワード観客賞(ザール造形芸術大学、2013)、芸術大学最優秀賞(ブレーメン芸術大学、2012)。2018年よりLBBW財団、ポーラ美術振興財団、野村財団他の助成を受けドイツ、ウルムでの2年間のレジデンスプログラムに参加。

渡辺豪 / WATANABE Go

1975年兵庫県生まれ。東京都を拠点に活動。2002年愛知県立芸術大学美術研究科油画専攻修了。主な展覧会に「あざみ野コンテンポラリーvol.8 渡辺豪 ディスロケーション/dislocation」(横浜市民ギャラリーあざみ野、2017)、「光差 - 境面 III -」(URANO、東京、2017)、「創立 50 周年 記念展示芸術は森からはじまる」(愛知県立芸術大学構内全域、2016)、「places」(ARATANIURANO、東京、2015)、「ロジカル・エモーションー日本現代美術」 (ハウス・コンストラクティブ美術館、チューリッヒ、スイス、クラクフ美術館、クラクフ、ポーランド、ザクセンアンハルト州立美術館、ザクセン=アンハルト、ドイツ巡回、2014-2015)、「The APB Foundation Signature Art Prize」(シンガポール美術館、2014)、「あいちトリエンナーレ 2013」(愛知県内各所、2013)、「Asia Code : ZERO」(SOMA 美術館、ソウル、2013)など。受賞歴に第24回五島記念文化賞美術新人賞受賞(2013)。

ACT Vol. 2 「停滞フィールド」情報

タイトルACT Vol. 2 「停滞フィールド」
英語タイトル:ACT Vol. 2 “Stasis Field”
会期2020年2月22日(土)~3月22日(日)
会場トーキョーアーツアンドスペース本郷 (東京都文京区本郷2-4-16)
開館時間11:00 - 19:00 (最終入場は30分前まで)
休館日月曜日(2/24開館)、2/25
入場料無料
主催公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 トーキョーアーツアンドスペース
参加作家田中秀介、広瀬菜々&永谷一馬、渡辺豪
URLhttps://www.tokyoartsandspace.jp/