美術品が際立つ「アートの箱」、Song Art Museum
北京の都会の喧騒から離れ、松の木に囲まれた2,200㎡の静寂なランドスケープに建つのが、ヴィクトリア様式の建物を改築して2017年に完成したSong Art Museum。中国の大手複合エンターテインメント企業の創業者であり、アートコレクターとしても有名なワン・チョンジュンが所有するコレクションを展示するプライベート・ミュージアムである。Song Art MuseumはA'Designアワード2018の建築部門で金賞を受賞し、建築デザインを担当したVermilion Zhou Design Groupは、Architizerが主催する2021年 A+Firmアワードのインテリアデザイン部門で当館のデザインを評価され受賞している。
アートを際立たせる「箱」として機能すべく、従来のヴィクトリア調の華美な装飾を一切排除し、白を基調としたシンプルな外観とした。199本の松の木が設置された庭園内を中国の巻物のように張り巡らされた遊歩道が、モダンな建物と伝統的な建物を繋ぐ。それは中国絵画の表現方法のひとつである「余白を残す」配置でありながらも、西洋の幾何学的な要素も取り込んだ東洋と西洋が融合した空間に伝統と現代の芸術が共存する、そんな不思議な風景となっている。
建物概要
名称 | Song Art Museum |
所在地 | 中国、北京 |
完成 | 2017年9月 |
デザイン | Vermilion Zhou Design Group |