陶芸家の弟、黒田泰蔵に捧げるアクリル作品群

企画展「黒田征太郎『悲の器 〜水と光〜』」がBAG-Brillia Art Gallery-(バッグ ブリリア アート ギャラリー、「BAG」)で2024年6月22日(土)から6月30日(日)まで開催される。本展では、画家でイラストレーターの黒田征太郎のアクリル作品に加えて、征太郎の弟で白磁陶工の黒田泰蔵(1946年-2021年)の白磁作品を描いた絵が展示される。

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自由な線と色彩で描かれた生命力が特徴の黒田征太郎が、インテリアデザイナー倉俣史朗のアクリル製の名作椅子「ミス・ブランチ」に触発され、「アクリルという額の中に絵を入れたい」との想いからアクリル樹脂で自身の絵や木彫など多彩な作品を固めたオブジェの制作を2016年より開始。弟である黒田泰蔵も生前アクリルの美しさに魅せられ、いつか兄とコラボレーションすることを願っていたが、叶わずに2021年に逝去した。征太郎は弟の没後、残された白磁作品を来る日も来る日も描き続け、そうして描かれた作品を「悲の器」と名づけ、「水と光」の象徴であるアクリル作品と並べることで、本展はまたとない兄弟のコラボレーションとなった。

本展では作品展示のほかに、作品にまつわるショートムービーも上映。また、書籍「White Album」(黒田征太郎、黒田泰蔵著)の販売のほか、黒田征太郎の作品販売も行われる。

展示作品例

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アクリル作品①

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アクリル作品②

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アクリル作品③

黒田征太郎

1939年大阪府大阪市生まれ。画家、イラストレーター。1961年に早川良雄デザイン事務所入所、1966年渡米。帰国後の1969年に長友啓典とデザイン事務所K2(ケイツー)を設立。1992年にニューヨークにアトリエを構え、国内外でライブペインティングや壁画制作など幅広く活動。2009年より拠点を北九州市門司に移す。著書に「KAKIBARA」、「戦争童話集・全4巻」、「教えてください。野坂さん」など。絵本も数多く手がけており、詩人・谷川俊太郎との共著「地べた」ほか、近著に作家・池澤夏樹との共著「ヤギと少年、洞窟の中へ」がある。

黒田泰蔵

1946年滋賀県能登川町生まれ。陶芸家。1967年、渡仏先で出会った陶芸家の島岡達三の紹介でカナダ・ケベック州の陶芸家ゲータン・ボーデンに師事、陶芸を始める。1978年製陶会社シアルでブランディング・ディレクターを務めたのち、1980年に帰国。翌1981年に静岡県松崎町にて築窯。1984年渋谷パルコ・コートIIIに「セラミックスタジオTAIZO」を構える。1991年に白磁作品の制作を開始し、生涯にわたってその極致を探求する。作品集「White Porcelain」、「Taizo Kuroda」、「A day in February with light」ほか、著書に「黒田泰蔵 白磁へ」がある。2021年、75歳で逝去。

黒田征太郎「悲の器 〜水と光〜」開催概要

会期2024年6月22日(土)~6月30日(日)
会場BAG-Brillia Art Gallery-
料金無料
URLhttps://www.brillia-art.com/bag/