像は描かれるのか、それとも現れるのか

アーティストPoieverywhere(Poieverywhere / Yusuke Ochiai)の個展「The Way It Appears ― 視点が形成される過程」が、東京日本橋のTHE A.I.R BUILDINGで2026年3月15日から3月27日まで開催される。本展では、レイヤーを重ねた画面の中で像がどのように現れ始めるのか、その過程に焦点を当てる。キャラクターを描こうとすると、像はどこか遠ざかっていく。しかし画面のレイヤーを見つめ続けていると、ある瞬間ふと像が現れる。本展は、完成されたイメージを提示するのではなく、像がはっきりと現れる前の状態に注目する。adf-web-magazine-the_way-it-appears-17.jpg

キャラクターを描くことへの抵抗や葛藤と向き合いながら制作された作品群はイメージが立ち上がる瞬間の感覚を可視化する試みとなる。Poieverywhereはこれまで、都市の壁や路面に残る痕跡から着想を得て制作を行ってきた。ペイントを重ね、削り出し、研ぎ出すプロセスによって独自のレイヤーを形成し、その表面に残る時間や記憶を探る表現を展開している。その制作の過程で生まれたのが「像は描かれるものなのか、それとも視点の中で現れるものなのか」という問いである。本展ではこの問いそのものを制作のプロセスとして提示する。レイヤーを重ねた画面の中で像が立ち上がる瞬間に焦点を当てることで、視覚体験の生成過程を観客と共有する。

Poieverywhere / Yusuke Ochiai プロフィール

1977年東京生まれ。2010年にアメリカへ渡り、ニューヨークを拠点に約14年間活動。2024年から日本を拠点に制作を行う。独学で絵画と立体を学び、内面との対話や日常の気づきをもとに創作を続けている。作品は、多神教や日本の神道に通じる「すべての存在に魂が宿る」という感覚を出発点とし、神々やエネルギーの擬人化を通して生命の神聖さや世界の多層性を可視化する試みとして展開されている。ニューヨークでの活動は、都市の質感やスピード感、ストリートアートのエネルギーを作品に取り込み、ペイントを重ね、削り、研ぎ出すプロセスを通して、物の表面に残る時間や記憶をたどる表現へと発展した。現在の制作では、絵画と立体、ストリートと展示空間、物質と記憶、可視と不可視といった境界を横断する表現を展開している。代表的な作品シリーズ POI(Path of Imagination) は都市の片隅に置かれ、誰かに拾われ、動かされることで都市空間に小さな変化を生む存在として機能する。POIはキャラクターというよりも、出会いや行動の中で意味が生まれる「問いのような存在」として都市の中に痕跡を残し続けている。

THE A.I.R BUILDING

THE A.I.R BUILDINGは東京・日本橋にあるコンセプトビルディング。A.I.RはArtist In Residenceを意味する。1970年代、ニューヨーク出身のジャズミュージシャンGillesが放蕩の末にこの場所に住み着いたというストーリーから着想を得て生まれた。現在はカフェ、バー、ミュージックラボ、アーティストレジデンスなどが共存する複合空間として運営されている。展示や音楽ライブ、滞在制作、飲食体験などが重なり合い、人と創作が有機的に交わるコミュニティを育む場となっている。

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© THE A.I.R BUILDING 2026

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© THE A.I.R BUILDING 2026

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© THE A.I.R BUILDING 2026

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© THE A.I.R BUILDING 2026

「The Way It Appears ― 視点が形成される過程」開催概要

会期2026年3月15日から3月27日まで
時間12:00 – 18:00
会場THE A.I.R BUILDING
URLhttps://tinyurl.com/36t9w29p