東京都庭園美術館にて「奇想のモード」展を開催

「奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム」展が、2022年1月15日(土)から4月10日(日)まで、東京都庭園美術館にて開催される。

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ハリー・ゴードン《ポスター・ドレス》1968年頃、京都服飾文化研究財団蔵、畠山崇撮影

20世紀最大の芸術運動であったシュルレアリスムは芸術の枠を超えて、人々の意識の深層にまで影響を及ぼした。革新的な意匠を生み出し、時代を先駆けようとする優れたクリエーターたちの表現は、時にシュルレアリスムの理念と重なり合うものであり、モードの世界にもシュルレアリスムに通底するような斬新なアイデアを垣間見ることができる。

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エルザ・スキャパレッリ《イヴニング・ケープ》1938年、京都服飾文化研究財団蔵、広川泰士撮影

一方、シュルレアリストたちと親交のあったエルザ・スキャパレッリは、シュルレアリスムの潮流のなかで示された特異な感覚を、モードの世界に積極的に取り込んでいった。またシュルレアリストたちは、帽子や靴、手袋といったファッションアイテムを霊感の源として、絵画や写真、オブジェといった作品のなかに生かした。衣裳へのトロンプ・ルイユ(だまし絵)的なイラストの導入や、内側と外側の意識を反転させたようなデザイン等、シュルレアリスムを契機として出現したユニークな発想力は、まさに「奇想のモード」として今日にまで影響を与え続けている。

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串野真也《LUNG-TSHUP-TA》2009年、作家蔵

本展ではさらに、シュルレアリスムの感性に通ずるような作品群にも注目し、現代の私たちからみた「奇想」をテーマに、16世紀の歴史的なファッションプレートからコンテンポラリーアートに至るまでを、幅広く展覧する。シュルレアリスムがモードに与えた影響をひとつの視座としながら、その自由な創造力と発想によって、モードの世界にセンセーションをもたらした美の表現に迫る。

展示内容

第1章 有機物への偏愛

出展作家:ヤン・ファーブル、スティーヴン・ジョーンズ、ジャン・デュパ 他

第2章 歪む身体――歴史にみる奇想のモード

歴史的ファッションプレート/コルセット、纏足/着せ替え人形

第3章 髪(ヘアー)へと向かう、狂気の愛

出展作家:モーニングジュエリー/マルタン・マルジェラ 他

第4章 エルザ・スキャパレッリ

エルザ・スキャパレッリによるドレスや香水瓶

第5章 鳥と帽子

エルザ・スキャパレッリによる帽子/『VOGUE』表紙 他

第6章 シュルレアリスムとモード
  • 6-1:裁縫とシュルレアリスム
  • 6-2:分断化される身体
  • 6-3:物言わぬマネキンたち

出展作家:サルヴァドール・ダリ/ルネ・マグリット/マン・レイ/ハリー・ゴードン 他

第7章 裏と表―発想は覆す

出展作家:マルセル・デュシャン/マルタン・マルジェラ/ドルチェ&ガッバーナ 他

第8章 和装の奇想―帯留・花魁の装い

錦絵:歌川国貞/豊原国周/渓斎英泉 他

第9章 ハイブリッドとモード―インスピレーションの奇想

出展作家:舘鼻則孝/永澤陽一/串野真也 他

「奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム」開催概要

会期2022年1月15日(土)~2022年4月10日(日)
会場東京都庭園美術館 本館+新館
開館時間10:00–18:00 (入館は閉館の30分前まで)
休館日 毎週月曜日  ※ただし3月21日は開館、3月22日(火)は休館
入館料一般=1,400円/大学生(専修・各種専門学校含)=1,120 円 /中・高校生=700円/65歳以上=700円