1分間に最大1万個のシャボン玉が舞う、記憶と人をつなぐアートパフォーマンス
足立区にアートを通じた新たなコミュニケーションを生み出すことを目指す市民参加型のアートプロジェクト「アートアクセスあだち 音まち千住の縁」。そのプログラムの一環として、現代美術家・大巻伸嗣による「Memorial Rebirth 千住」(メモリバ)が、2023年12月3日(日)に東京都足立区立東加平小学校で開催される。2011年から始まった無数のシャボン玉で見慣れたまちを光の風景に変貌させ、記憶を喚起するアートパフォーマンス「メモリバ」は、バトンを繋ぐようにこれまで千住・西新井で8回開催された。足立区の風物詩となりつつあるメモリバが、コロナ禍を経て5年ぶりに東加平小学校で大規模なパフォーマンスとして帰ってくる。
無数のシャボン玉が見慣れた景色を一変させる
昼の部
無数のシャボン玉と、オリジナルの盆踊り「じゃボンおどり」のパフォーマンス。作曲・振付をした「くるくるチャーミー」の大西健太郎・富塚絵美が、来場者とともに歌って踊り、一体感を生み出す。歌詞は、東加平小学校の卒業生や、近隣に暮らす幅広い世代の方々に、いまの暮らしや記憶の情景をインタビューして制作した新作。
くるくるチャーミー(大西健太郎、富塚絵美)
東京藝術大学卒業生による若手アーティストユニット。ダンス、歌、作曲、音響などそれぞれの得意分野をもつ個性的なメンバーが集い、地域のお祭りや結婚式、パーティでのパフォーマンスなどで活躍。
夜の部
陽が落ちた暗闇に、無数の光をまとったシャボン玉が幻想的な空間を創出。作曲家・野村誠によるピアノの音色が、光の世界を一層美しく彩る。
野村 誠
作曲家、千住だじゃれ音楽祭ディレクター。8歳で作曲を始める。中学時代は落語研究会に所属。1990年代より共同作曲を探求。ジャワ・ガムランと児童合唱のための《踊れ!ベートーヴェン》(1996)を発表以来、東南アジアとのコラボレーションを積極的に行う。野村幸弘との即興映像ドキュメントを行い、タイ(2004,2007)、インドネシア(2005)、カンボジア(2007)、台湾(2011)、マレーシア(2013,2015)など、約20本のドキュメンタリー映像を制作。日本相撲聞芸術作曲家協議会(JACSHA)理事。相撲から着想を得た作品を数多く発表。2014年から日本センチュリー交響楽団コミュニティ・ミュージック・ディレクター。オーケストラの可能性を拡張する試みを実践。淡路島アートセンターの委嘱で、やぶくみこと『瓦の音楽』を展開。2020年より、びわ湖・アーティスツ・みんぐる『ガチャ・コン音楽祭』ディレクターとして、サイトスペシフィックなプロジェクトを展開。著書に「音楽の未来を作曲する」(晶文社)などがある。
大巻伸嗣
美術作家。1971 年岐阜県生まれ。アジアパシフィックトリエンナーレや横浜トリエンナーレ2008、エルメス セーヴル店(パリ)、アジアンアートビエンナーレなど世界中の芸術祭や美術館・ギャラリーでの展覧会に参加している。展示空間を非日常的な世界に生まれ変わらせ、鑑賞者の身体的な感覚を呼び覚ますダイナミックな作品《Liminal Air》《Memorial Rebirth》《Echoes》を発表している。
アートアクセスあだち 音まち千住の縁
「アートアクセスあだち 音まち千住の縁」(通称「音まち」)は、足立区にアートを通じた新たなコミュニケーション(縁)を生み出すことをめざす区民参加型のアートプロジェクト。主催は東京藝術大学音楽学部・大学院国際芸術創造研究科、特定非営利活動法人音まち計画、足立区。足立区に東京藝術大学千住キャンパスがあることがきっかけで2011年にスタートした。市民とアーティストが協働して、今回実施する「Memorial Rebirth 千住」や千住・人情芸術祭「1DAYパフォーマンス表現街」、千住仲町にある戦前に建てられた日本家屋を活用した文化サロン「仲町の家」の運営など、「音」をテーマとした多種多様なプログラムを展開している。
大巻伸嗣「Memorial Rebirth 千住 2023 東加平」開催概要
会期 | 2023年12月3日(日)昼の部14:00 - 14:30 / 夜の部 17:00 - 17:30 |
会場 | 足立区立東加平小学校 |
URL | https://aaasenju3.wixsite.com/mrshabonodori |