異なる領域で未来を見据えて創作する若手クリエイター

次世代を担うクリエイターの育成に取り組む公益財団法人クマ財団が、クリエイター奨学金7期生・36名がそれぞれの作品や活動を発表するシリーズ「KUMA experiment 2023-24」の第三弾として、企画展「ままならなさを生きるからだ Bodies / Multiplicitous」を2023年12月9日(土)から12月24日(日)まで、クマ財団ギャラリーで開催する。

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ままならなさを生きるからだ Bodies / Multiplicitous

本展では異なる領域で未来を見据えて創作する若手クリエイターがそれぞれの取り組みを発表する。参加するクリエイターは、現代の視覚中心への疑いから触覚がもたらす感触のある建築を目指す安藤尚哉、私的なフィルムの手法で劇映画の物語られ方を組み直してみたい川上さわ、現代の不条理を記録する風景としての詩を思索するのもとしゅうへい、後人新世におけるエコロジカルなトラウマに着目し、肉体的 - 情動的-周縁的な視点から現実を再想像するMaya Erin Masuda、ドラァグの実践を経てクィア・フェミニズムの観点から安全な場づくりを試行するMoche Le Cendrillon、途切れない連なりとしての魂の姿を舞踏表現として提示する遊舞舎慶子の6名。

作家プロフィール

安藤 尚哉 / Naoya Ando

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芝浦工業大学大学院 理工学研究科 建築学専攻 在籍。私たちが住む地球に作用する様々な力学を物質を介して思索する。大事にするのは視ることより触れること。極めて具体的に物質を受け止め、地球と対峙することから私の目指す建築が始まる。

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安藤 尚哉《転生するシンボル》2022

川上 さわ / Sawa Kawakami

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大学一年生で撮影した初監督作品『散文、ただしルール』がカナザワ映画祭グランプリ受賞。劇映画の中に実験的手法や個人映画のエッセンスを混ぜていくことが好き。ミスiD2021アメイジングミスiD。

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川上さわ《地獄のSE》2023

のもとしゅうへい / Shuhei Nomoto

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詩、農作、写真、小説、デザインなど、表現領域を行き交いながら制作を行う。主に言葉や視覚表現を用いて、現代社会における不条理なものごとを虚構の風景に置き換え、実世界の姿を別の角度から記録することを試みている。2022年より神奈川県・真鶴半島に暮らす。

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のもとしゅうへい《南緯三十四度二十一分》 2021

Maya Erin Masuda

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”New Media in Abjection”を主題に、人とテクノロジーの融合として定義されてきた「サイボーグ」を、人間とテクノロジー、モノ、動物などあらゆるものがその脆弱性によって開かれ混合する場所から再定義するような活動を行う。活動は、フェミニスト批評誌 i+me(d/e)aの出版やアクティビズム、キュレーションなど。

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Maya Erin Masuda《Pour Your Body Out》2023

Moche Le Cendrillon

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個人的な物語を起点に、社会にある様々なジェンダーやセクシュアリティ、美醜のステレオタイプを解体するためのセルフ・ポートレート的作品を制作。並行してドラァグ・パフォーマーの活動を行う。セーファー・スペースを考えるアーティスト・コレクティブ「ケルベロス・セオリー」のメンバー。

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Moche Le Cendrillon《貴方とケーキをシェアするためのいくつかの方法》 2023

遊舞舎 慶子 / Keiko Yubusha

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舞踏家。東京藝術大学美術研究科グローバルアートプラクティス専攻在学。舞踏を軸としたパフォーマンスユニット「遊舞舎」主催。都市における「まれびと」的存在(自然との接続を持つものとして人間の本質的な奥底を共振させ得る他者)としての舞踏表現の在り方を探求する。

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遊舞舎 慶子《情景 河原にて》2023

クマ財団7期生(36名)による企画シリーズ「KUMA experiment 2023-24」

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「KUMA experiment」は「クリエイター奨学金」の採択クリエイターによる展覧会シリーズ。社会とつながることを目的にプレゼンテーションを行う実験的な場となることを目指している。「KUMA experiment 2023-24」では7期の奨学生全36名のうち6名で構成する6のチームが発表。活動ジャンルは19種類に及び、六本木のクマ財団ギャラリーにてアート・音楽・パフォーマンス・テクノロジー・デザインなど多領域の作品を展示する。

公益財団法人クマ財団

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コロプラ創業者である馬場功淳が2016年に設立した、次代を担う若きクリエイターの活動を支援・助成することを目的とした財団。25歳以下の学生クリエイターを対象とした「クリエイター奨学金制度」の制定を主軸に、勉強会・交流会といったインプット機会の提供や、制作した作品の展示会など発表の場の提供。加えて卒業生を対象とした助成金「活動支援制度」などあらゆる側面から創作活動を支援している。

「ままならなさを生きるからだ Bodies / Multiplicitous」開催概要

会期2023年 12月9日(土)〜 12月24日(日) ※火・水曜日は休廊
時間12:00 - 19:00
イベントクロストーク「衝撃を和らげるためのトーク・パフォーマンス」12月8日(金)17:00開場・17:45開演
料金無料
会場クマ財団ギャラリー
主催公益財団法人クマ財団
URLhttps://tinyurl.com/3hdnbsja