東京都庭園美術館で「20世紀のポスター[図像と文字の風景]」展 開催

東京都庭園美術館では「20世紀のポスター[図像と文字の風景]―ビジュアルコミュニケーションは可能か?」展を、2021年1月30日(土)から4月11日(日)の期間で開催。多摩美術大学の企画協力により、竹尾のポスターコレクションから構成主義のポスターを厳選し、一堂に公開する。早春から桜の季節にかけて、この時期だけの庭園の風景とともに美術館でのひとときを楽しむことができる。adf-web-magazine-tokyo-teien-art-museum-poster-20c-1

1910~20年代のヨーロッパで生じ、芸術・デザインに革新をもたらした「構成主義」は、特にビジュアルデザインの領域において、図像と文字を幾何学的・抽象的な融和のもとに構成しようとする特徴的な表現様式をもたらした。エル・リシツキー、ヤン・チヒョルト、マックス・ビル、ヨゼフ・ミューラー゠ブロックマンなど、数々のアーティスト / デザイナーが時代を超えて共有したこの様式は、広くビジュアルデザインの可能性を拡張する試みとして発展を重ね、今日のビジュアルデザインの基盤を形成する。本展では、この潮流のもとに世に送り出され、時代を彩った「構成的ポスター」が、20世紀を通じて織りなした図像と文字の風景を、竹尾ポスターコレクション(多摩美術大学寄託)により辿る。ビジュアルデザインの原点であるポスター群を一望できる展示となっており、物語を読むように構成的ポスターの発展をたどりながら、ポスターとは何か、いま、ポスターをいかに見るべきかという視点を提供する。

図像と文字の幾何学(15作家・52点)

戦後のビジュアルコミュニケーションのあり方を導く歴史的役割を果たしたスイス派、ウルム派に代表される構成的ポスター=インターナショナル・スタイルの継承と展開をたどる。

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メアリー・ヴィエイラ《パンエア・ド・ブラジル航空 DC7C機/パンエア・ド・ブラジル》 1957年 ⓒIsisuf. Istituto internazionale di studi sul futurismo - Archivio Mary Vieira

歴史的ダイナミズム(11作家・18点)

インターナショナル・スタイルのルーツともいうべき、第二次世界大戦以前に登場したロシア構成主義、バウハウス、ニュータイポグラフィを象徴するポスターを展示。

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エル・リシツキー《ソヴィエト連邦展/チューリッヒ工芸美術館》 1929年

コミュニケーションのありか(11作家・60点)

1970年代以降、インターナショナル・スタイルを背景に登場したニュー・ウェイヴ、ポストモダンデザインと称される潮流を、11名のデザイナー / 60点のポスターを通じてたどる。

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ジャン゠ブノワ・レヴィ《マルクトブラット/無料広告新聞》 1989年 ⓒJean-Benoit Levy (AGIAIGA), Studio AND (www.and.ch), Photo Alexandre Genoud

「20世紀のポスター[図像と文字の風景]―ビジュアルコミュニケーションは可能か?」開催概要

会期2021年1月30日(土)-4月11日(日)
会場東京都庭園美術館 本館+新館
開館時間10:00–18:00 (入館は閉館の30分前まで)
休館日2月10日・24日、3月10日・24日、4月5日
入館料一般=1,100円/大学生=880円/中・高校生=550円/65歳以上=550円
美術館ウェブサイトwww.teien-art-museum.ne.jp