熱海市街地半径3キロ以内に、100名以上のアーティストが集結、合計40箇所にて展示

「ATAMI ART GRANT 2023」が、2023年11月18日（土）から12月17日（日）まで、ATAMI ART VILLAGE、ACAO FOREST、熱海駅周辺エリア、来宮エリア、シーサイドエリアなどで開催中。今年のテーマは「巡 − Voyage ATAMI」。53組・総勢100名以上のアーティストが参加する、熱海で出会う、アートの旅となる。また、今年は熱海ならではの「温泉」にまつわる7つのスポットで「AR湯巡りスタンプラリー」も開催する。

本展のみどころ

メイン会場となるATAMI ART VILLAGEでは7組、サテライト会場となるACAO FOREST19組の作家がインスタレーションを展開。ほか、熱海市内各所の展示会場（飲食店、ホテル、ギャラリー、魚市場など）で27組の作家が展示する。

ATAMI ART VILLAGE

©️ATAMI ART GRANT 2023, Artwork by Takuro Tamayama　,《Models (Pair, 6 sets, 12 rings)》, photo by Ryuichiro Suzuki

©️ATAMI ART GRANT 2023, Artwork by Kentaro Shimoyama + “The Institute of Art, Okutama”　,《City Lights》, photo by Ryuichiro Suzuki

©️ATAMI ART GRANT 2023, Artwork by Zon Sakai ＋TIAR　,《Heavy Duty》, photo by Ryuichiro Suzuki

交差する複数の輪によって相反する静動を反映し続ける作品を展開した玉山拓郎や、これまで絵画に描かれてきたモチーフを解体し、再構成した下山健太郎＋奥多摩美術研究所の照明作品。ゴムと空気の持つエントロピー特性を使用し、内圧の変化に応じてその表情を変える坂井存＋TIARのゴムチューブ彫刻などが展示される。

ACAO FOREST

©️ATAMI ART GRANT 2023, Artwork by Takeshi Nakamura　,《The Retroactive Space》, photo by Ryuichiro Suzuki

©️ATAMI ART GRANT 2023, Artwork by Kent Watanabe　,《Resonating NestRavine》, photo by Ryuichiro Suzuki

空中をキャンバスに見立てて縦横無尽に絵を描く中村岳や、熱海の豊かな丘陵地帯が生み出した谷間に、生命循環の象徴である巨大な蜘蛛の巣を作り上げた渡邉顕人が雄大な自然と融合した作品を展開。展覧会期間中は閉園時間を19:30まで延長（最終入園：19:00）し、ライトアップも行う。

駅前エリア

©️ATAMI ART GRANT 2023, Artwork by Aya Momose　,《Melting Point》, photo by Ryuichiro Suzuki

©️ATAMI ART GRANT 2023, Artwork by Aya Momose　,《Melting Point》, photo by Ryuichiro Suzuki

©️ATAMI ART GRANT 2023, Artwork by Tomotosi　,《City of Pet》, photo by Ryuichiro Suzuki

カウンターの中にいるスタッフを通して、作家の体温を提供するパフォーマンスアートの百瀬文や、エクストリームな境遇にあるペットの立場から都市について考察するトモトシ&TOMO都市美術館の展示が行われる。

シーサイドエリア

©️ATAMI ART GRANT 2023, Artwork by Yuki Harada　,《Home Port》, photo by Ryuichiro Suzuki

©️ATAMI ART GRANT 2023, Artwork by Byproducts Market　,《Decadent Landscape Atami research project》, photo by Ryuichiro Suzuki

1950年に起きた熱海大火と、2023年に起きたラハイナ大火を結びつける新作のCG風景画を展開する原田裕規や、副産物産店は、作家が見つけた熱海の廃景マップを作成し、熱海銀座通り商店街の一角にある副産物自動販売機にて販売する。

来宮エリア

©️ATAMI ART GRANT 2023, Artwork by Yuki Harada　,《Home Port》, photo by Ryuichiro Suzuki

©️ATAMI ART GRANT 2023, Artwork by Tetsu Umehara　,《Envelopes, the Sun》, photo by Ryuichiro Suzuki

今は法によって建築できない土地に図面を模した「建物未満」の立体を表出させた鮫島弓起雄。合宿所yutorieにて、梅原徹が現在と過去の相対速度を観測する為の、断片的な記録の連なりを表現する。

AR湯巡りスタンプラリー

©️ATAMI ART GRANT 2023, Artwork by SAIGO NO SHUDAN　,《NEW YOKU VIEW》, photo by Ryuichiro Suzuki

熱海市内の温泉にまつわる7つのスポットにAR作品を展示。専用アプリ「STYLY」をスマートフォンにインストールし、展示スポットに掲示しているQRコードを読み込むと拡張空間に出現する作品を鑑賞できる。

参加アーティスト7組

河原湯：ユンボム / 小沢の湯：SUKOTA / 大湯間欠泉 ：最後の手段 / 来宮源泉タンク：ゴッドスコーピオン / 市営温泉西山動力室：榎並爽野 / yutorie横浴槽：IEEIR（イヤー）/ 園廃墟浴槽 ：木下朋朗

ATAMI ART GRANT 2023 参加アーティスト

安里槙、熱海シネマ、伊藤瑞生、井橋亜璃紗、梅原徹、榎倉冴香、兼平翔太、神谷紀彰、宍倉志信、坂井存＋TIAR、土井健史、中村岳、原田裕規、副産物産店(矢津吉隆 + 山田毅)、水田雅也、みょうじなまえ、百瀬文、安村卓士、羊喘兒、渡邉顕人

ACAO ART RESIDENCE 2023 参加アーティスト

∈Y∋、熱海分福：内田猿 + OJIYU（オジユ） + KAC + GANDHI + せきやゆりえ + norahi + 三好愛 + 山崎由紀子、 市川平、市原えつこ、IEEIR（イヤー）、UMA、加茂昂、 木下朋朗、ゴッドスコーピオン、最後の手段、坂本森海、 鮫島弓起雄、榎並爽野、SCAN THE WORLD、SUKOTA、下山健太郎+奥多摩美術研究所、玉山拓郎、築山礁太、トモトシ&TOMO都市美術館、永井ミキジ、BYNAM、 vug、花井優太、france_lion、White Canvas、松田将英、 Hana Yamamoto、米澤柊+駒澤零、ユンボム、Liu Yi、 RAU（都市と芸術の応答体）、6okken、Wang I Chao

審査員

襟川文恵（横浜美術館渉外担当リーダー）
來住尚彦（アートプロデューサー、演出家）
隈研吾（建築家、東京大学特別教授・名誉教授）
施井泰平（スタートバーン株式会社 代表取締役, 株式会社アートビート 代表取締役）
中野善壽（東方文化支援財団 代表理事）
南條史生（美術評論家）
三輪美恵（株式会社JTB 常務執行役員）

PROJECT ATAMI

熱海の魅力をアートにより再発見し、目に見える形にすることで、それを体験し楽しんでもらうために生まれたプロジェクト「PROJECT ATAMI」。双方向の学び合い、自発的な発見があるような出来事をつくり、五感で感じるリアルな体験が記憶に残るようなプロジェクトになればと考えている。滞在制作型プロジェクトである「ACAO ART RESIDENCE」と、アーティストをサポートする仕組み「ATAMI ART GRANT」を二本の柱として取り組んでいる。