世の中へ楔を打ち続けるアメリカ人アーティスト、リチャード・プリンス作品を販売開始

アート作品を分割保有出来るプラットフォーム 「STRAYM (ストレイム)」で、2020年7月29日(水)12時より、リチャード・プリンスの作品を販売している。作品購入には事前の無料の会員登録が必要となる。

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Richard Prince《What We Lose in Flowers》

リチャード・プリンスの代表的な作風で描かれた本作品。DVDステッカーをコラージュして使用、そこには「実際にデジタルビデオディスクなんて存在しないんだ」というメッセージを込めた上で、有名な宣伝写真や彼自身の作品を使って、このビンテージピンナップシリーズを制作。その中でも最も有名な作品の一つ。

リチャード・プリンス / Richard Prince

情報過多の時代に常に楔を打ち続けるアーティスト。マスメディアや広告、他のアーティスト作品、近年ではSNSで配信されている情報などの既存のイメージを利用し、その世界観や独創性を再コンテキストし、更に独特の世界観によって魅力を引き出すために再撮影するのが彼の最も有名になった手法である。それをシュミレーショニズムと呼ぶ人もいる。撮影されたもの、創り出されたものを再コンテキストする彼の作風は原作者や原所有者などといった社会理念、概念を覆させ、観るものにアート作品の視点や価値観を揺さぶらせる。高度な消費社会を批判的に捉えた作風が評価される一方で、当然、著作権侵害、オリジナリティの問題は多少なりとも存在している。最近ではInstagramの投稿画像の流用が議論を賑わした。しかしながら、彼にとってはその批判や炎上も常に折り込み済みで、ジョークや絵文字などコメントを加えて、美術的なレベルに昇華させていく。