インクルーシブデザインのモデル
キャノンデザインはインクルージョンのモデルとなるウェスタンミシガン大学(WMU)の新しい学生センターを発表した。歴史的にオジブエ族、オダワ族、ボデワドミ族が居住していた土地に位置するこの建物は、学生中心の集いの場となるよう設計され、帰属意識を高め、敷地全体に埋め込まれたネイティブ・アメリカンの伝統ルーツに敬意を表している。
ベルンハード・センターに代わる新しいスペースは、学生すべてにつながりやコミュニケーションを促すようにデザインされ、3階建ての建物には集会スペースやラウンジスペース、ダイニング、書店、オープン予定のビールパブ、FedExそしてスターバックスなどの売店などがある。
WMUではインクルージョンがデザイン要素にとどまらず、建物全体が帰属意識と包括性を育むという大学のコミットメントの証となっている。プロジェクトは機能的かつ魅力的な学生センターを作るためのモデルとしての役割だけでなく、キャンパスライフのあらゆる面で学生たち、ひとりひとりを優先させる機会が十分に存在することを示している。
何千人もの学生の意見を取り入れながら、建物のレイアウトは「C3」スペース(衝突、協力、共謀)のコンセプトに基づいて開発された。これは、フロアプランの流れや間隔を工夫することで建物全体で学生同士がつながる機会を促進するというもの。生徒からのフィードバックはシッティング・サークルのアイデアなど、ネイティブ・アメリカン文化の要素を取り入れたデザインにも影響を与えた。伝統的な建築にありがちな直線的な壁と長方形の空間ではなく、建物のほとんどが曲線の壁と円形の部屋を特徴としている。
また、自然へのリスペクトもこの建物のコンセプトの礎となるテーマであり、地元の自然要素からインスピレーションを得ている。1階は敷地からそびえ立ち、この地域の岩盤であるコールドウォーター・シェールを反映した石で覆われ、中層階はガラス張りのため、むき出しの柱がミシガンの森を歩いているような雰囲気を醸し出している。上層階はファサードの周囲に扇状に広がるゴールドのフィンが特徴で、日差しを遮り、樹冠の影を模したカットアウトが外壁ガラスや内部空間に反射している。
象徴的な中央の吹き抜けは木が並べられ、天窓から光が降り注ぎ「ハート」と呼ばれている。さらに、屋上から1階まで絶え間なく降り注ぐ自然光を浴びながら、座るスペースやパフォーマンス・スペース、フレキシブル・スペースが設けられている。
この新しい学生センターはすべての学生が認められ、つながりを持ち、探求することができるよう、真の意味で学生中心の環境を提供している。学生が自分の声を発見し、分かち合うことを促すと同時に、自分とは異なるアイデンティティを持つ人々について学ぶことでコミュニティと個性を同時に育むことを目指す。
キャノンデザイン
キャノンデザインは建築、エンジニアリング、インテリアデザイン、コンサルティングサービスを提供するグローバルデザインソリューションファームとして設立される。