建物の挑戦的な建築要素を利用したミニマリストデザインが特徴のオフィス空間
インダッドコーポレートオフィスの本社はドバイのブルジュハリファの向かいの最上階2階を占める7,000平方フィートのペントハウス内にある。息を呑むようなダウンタウンエリアの景色を望むオフィスは、ドバイを拠点とするインテリアデザイン会社、VSHDによって設計された。このプロジェクトは、デザイナーが空間に個性と深みを加えた三角形のトップなど、建物の挑戦的な建築要素を利用したミニマリストデザインを特徴としている。
空間の元の構造のほとんどが使用されていることは、VSHDの哲学と働き方に一致している。コンクリート構造柱や耐力壁など、ほとんどの構造要素は元の未加工の不完全な状態で保持されている。スペースのパラメーターに沿って繰り返される傾斜した柱は、設計の開始点として機能している。VSHDは何も取り付けられていない状態で柱が自立していることを確認すると、企業のオフィス内のさまざまなスペースを接地するための彫刻要素として使用した。
コンクリートをベースとして使用し、真ちゅうの生のクラッディング、天然の無染色オーク、骨材のフローリングを追加した結果、元の空間の本物の線、構造、素材で結ばれた空間でありながら、新しい原材料の使用やリノベーション、空間を結びつけるコラボレーションの相互作用によって、強化された空間が生まれた。
設計プロセス全体を通じ、VSHDは今日の職場をどのように定義すべきかを考え続けた。見た目にも美しいスケーラブルな空間で、どのようにして強力なコーポレートアイデンティティを実現できるのか。この地域の美容医療リーダーとして、インダッドの本社はさまざまな専門家やクライアントの待ち合わせ場所として機能する必要があった。さらにVSHDが作成した構造には、オンラインプラットフォーム、開発、ソーシャルメディア専用のフロアなども含まれている。これは、自由と創造性の感覚を表現するために必要なスペースとして設置された。
カスタマイズされた巨大な天井の照明器具は、機械的サービスのネットワークを隠し、二重空間の幅を強調している。その汎用性と柔軟性のためにモジュラー家具が選択された。ここにも革新性と創造性の特徴をみることができる。ヴィンテージグリーンのライティングボードは、さまざまなチームが協力して交流できるオープンスペースにプライバシーを提供する。そしてすべての会議室がスケーラブルになるように設計された。
家具は、ピエール・ジャンヌレ、ミース・ファンデルローエ、マルセルブロイヤー、ジオ・ポンティなど、ミッドセンチュリーのモダンデザイナーによってデザインされた作品などが折衷的な雰囲気を提供するために選択された。ミニマリズムと原材料を愛でる構造内に象徴的な家具を配置することは、職場の創造性と自由を招き、助長する環境を設計することの重要性を強調している。
自然光は贅沢であり、必需品であると信じているVSHDにとって、高品質の素材と自然光の使用は作業で最も重要視されている。インダッドのオフィスには、窓から差し込む自然光の効果と相まって、暖かさ、快適さ、弾力性を創造することに重点を置いた生地が使用された。また利用可能なすべての窓を利用し、設計調整によって窓のない領域にも自然光が入るようにしている。自然光が当たらない場所では、明るすぎず暗すぎない快適な作業空間を実現するため、間接照明を考案、設計、製造した。
完成したオフィススペースは、従業員と訪問者の間に大胆な創造性を刺激しながら、機能性とミニマルな美しさのレッスンを提供している。
VSHDデザインについて
インテリアアーキテクトのラニア・ハメドによって2007年にドバイで設立された、数々の受賞暦があるインテリア建築会社。ドバイ、アブダビ、カイロ、ロンドン、アンマンなどでのプロジェクトにおいて、そのスタイル、機能性、品質、細部へのこだわりで知られている。並外れた才能とグローバルな経験を組み合わせて、各クライアントのビジョンと同じくらい「最先端」または「時代を超越した」優れたスペースを作成している。独特で説得力があり、優れた品質の建築およびインテリアデザイン体験を開発することを使命としている。謙虚さと優雅さを空間の変容と転用に注ぎ込む仕事は、美しさと繊細な豪華さで国際的に認められている。