ル・コルビュジェのアトリエで学んだ最後の日本人建築家進来廉が1970年代に設計した建築にて開催
CASA DEはEDITIONS SERGE MOUILLE JAPANとの共同企画で、ミッドセンチュリーを代表するフランスのデザイナーであるセルジュ・ムイユと ピエール・シャポの作品を一同に観ることができる企画展を、ル・コルビュジエのアトリエで学んだ最後の日本人建築家として知られる進来廉が1970年代に設計した個人邸をギャラリーショールームとして新たに再生させた空間「BUNDLE GALLERY」にて開催する。
本展では、セルジュ・ムイユ / ピエール・シャポがどのような人物で、どういった経緯で作品が生まれたのか、当時の写真や日記をもとに紹介され、ヴィンテージ作品とそれぞれの家族らが継承するアトリエで製作された現行品が展示。また、今回のイベントの為に復刻した日本初上陸のシャポのアイテムも展示予定となる。
セルジュ・ムイユ
幼少期の植物や昆虫に対する深い好奇心がデザインの根本に存在し、学生時代に磨き上げた、その卓越した金属細工の技術のもと生み出された作品は、ミッドセンチュリー期の中でも異質で類稀なる存在感を放つ。世界的な彫刻家 ガブリエル・ルネ・ラクロア氏から金属加工と銀細工を学び、1952年にフランスのモダニズムデザインの巨匠ジャック・アドネに照明器具のデザインを依頼されたことを機に、その後の人生を照明の制作に捧げる。1950年代に発表した照明作品「Black Shapes」シリーズで名声を博した後、デザイナーとしての後期に発表した「Les Colonnes」シリーズは、どこかポストモダンの要素すら感じるほど過去の代表作とは異なっており、そのデザインの振り幅、彫刻的な美しさや独創性はマスターピースと称されている。
ピエール・シャポ
木の持つ生々しくも荘厳な存在感と、確かな洗練されたモダンデザインとの融合によって、その独自性を確立。 同時期に活躍した日系アメリカ人の彫刻家 / デザイナーであるイサム・ノグチの工芸品に対する有機的なアプローチや作品づくりにおける理念に強く共感し、自身のギャラリーでノグチの作品を取り扱っていたことでも有名。 ピエール・シャポのデザインは彼の木工に対する情熱なくして生み出すことができなかった作品であり、工業素材や大量生産が主流となりつつあった1950~60年代において、手工芸や木材への愛に溢れた彼のシグネチャーとも言えるオールジョイントのデザインは、時代を超えた現在でも大きなインパクトを与えている。
会場はル・コルビュジエのアトリエで学んだ最後の日本人建築家として知られる進来廉が1970年代に設計した個人邸を、ギャラリーショールームとして新たに再生させた空間「BUNDLE GALLERY」にておこなう。進来廉がフランス滞在中にシャルロット・ペリアンやジャン・プルーヴェなど20世紀を代表する建築家と協働していた。またピエール・シャポが影響を受けたギリシャ系フランス人の建築家ジョルジュ・キャンディリスに師事していた事からシャポの作品群を展示するに相応しい場所であると感じ、今回の企画展を開催する運びとなった。
「THE LEGACY OF MODERN CRAFT~継承されるセルジュ・ムイユとピエール・シャポの造形美~」
会期 | 2022年7月15日(金)から7月24日(日) まで |
会場 | BUNDLE GALLERY : 千葉県野田市野田57番地(入場無料) |